まずは明けましておめでとうございます。
忙しかったり頭痛かったりでこんな日まで更新を引っ張ってしまったが・・・。
早速最初の更新に入ってみよう。
今日は久しぶりの「まだ見ぬ水産物の可能性を求めて」シリーズ。
テーマは岩の隙間によくいるアイツ。
カメノテである。
こいつね。
今日はコイツの食味とかその辺のレポート記事である。
そもそもカメノテって食べれるの?
先に言うと、食べれるし美味しい。
カメノテは元々は、エビやカニと同じ甲殻類である。どこを食べるの?って話だが、カメノテは亀の手そっくりの爪っぽい部分と、それにくっ付く柄の部分で身体が出来ている。
その柄の部分の皮を取るとピンク色の筋肉が出てきて、これを頂くのである。
ということでいきなりだが採集上の注意。
爪だけ獲っても、身は全く入っていない。
ヘラか何かでしっかり筋肉ごと取らないと、ただの殺戮に終わってしまう。無益な殺生など愚行である。
ちなみに地方によってはタカノツメといった別名で、極稀にスーパーに並ぶこともある。
市場も並ぶかもしれないが、僕はとりあえず見たことがない。
どこにいるの?
根も葉も無いことを言ってしまえば、防波堤の壁の隙間や、岩の隙間にビッシリ居ることが多い。磯に隣接した防波堤がベストかもしれない。
そしてできれば、干潮時の方が採集し易い。満潮時は海の下に沈むところじゃないと生息していない為、潮が満ちている時は非常に採集し辛い。
ツメが結構頑丈で鋭いので、軍手とヘラを使って採集するのがベスト。素手は論外。磯の漁師曰く、一人分ならば両手1杯山盛りくらいが最適なのだという。
余談だが、カメノテの主食はプランクトン。水が増えて海中に入った時は、ツメにあたる部分を広げて中から黒くて細いシダの葉みたいなのを出して振り回し、プランクトンを掻き集める。じっくり観察するのは難しいけど、見てて気分が良いものでもない。
調理法について
僕のオススメというか、皆これをオススメしているのだけど、塩茹でが美味しい。しっかり水洗いしてカメノテの汚れを落とした後は、それを塩を一振り加えた水400~500CCに入れて茹でていく。大体5分くらい茹でれば、食っても毒で死ぬことはない(ヘドロだらけで水面がメタリックブルーな海で採集した場合を除く)。
そしてさっきも言った通り、柄の部分の皮を上手いこと取ると、ピンク色の筋肉が出てくる。それをちまちま食べると、これが美味しいのである。食感・味ともにエビとカニを足して2で割ったような感じである。日本酒の熱燗との相性が良い。
そして、茹で汁もまた捨てるには惜しい。カメノテは非常に良い出汁が出るので、ゴミなどを要らない布で濾して使えば、味噌汁か何かのベースにもなる。磯の香りが漂う味噌汁ほど嬉しいものはない。酒を飲んだ後の〆にいかがだろうか。
おわりに。
いつになく真面目な感じになった今回の記事。冬でもカメノテはバッチリいるので、あったかい特別なスープが飲みたい時や、ちょっとしたオツマミが欲しい時にいかがだろうか。前に書いたマツバガイと合わせてオススメである。
そろそろ新天地に引っ越そうと思っているので、食費節約に僕も磯でなんか獲ろうかな。
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