釣り歴が22年目になった。
大抵の魚種は釣ってきたし、したことがない釣法もかなり少なくなってきた。
だが、そんな僕だが、イカを釣ったことが一回も無かった。
タコなら正直10杯くらいある上、今やイカは超メジャーなジャンルなので、如何ともし難いコンプレックスではあった。
で、たまに今日は如何かなとエギングをやってみたりもしたが、2時間竿をシャクって、手首を痛めるだけの時間でしかなかった。
そんな僕だが、先日めでたくイカを釣ることが出来た。言わば、烏賊童貞卒業である。
今日はそのダイジェストをご紹介。
新たな釣り方は日々登場するらしい。
イカメタルという言葉をご存じであろうか。
超乱暴に言えば、仕掛けの上に軽いスッテ、一番下に重いスッテを付けて、エギングよろしく誘いをかけて釣るというもの。
詳しくはコチラを参照してほしい。
そしてこないだ、何だかんだで平日に休みが取れた僕は、知り合いの方にそのイカメタルってヤツに誘われたのだ。
聞けば、30,40杯は当たり前に出るという。初心者でもそれは関係ないとのこと。(上手な人は80近く釣れてしまうらしい)
ちなみに船釣りである。
10分くらい良い感じの話を聞いた僕は、すっかりテンションが上がりきってしまい、20000円近くの初期投資をしてしまった。
額をきくとちょっと尻込みしてしまうが、アウトレットだのなんだので上手くやれば、8000円とかで初期投資を収められなくもない。
なんならエギングロッドかシーバスロッドと、2500番のリールがあれば、スッテを買うだけなのでそんなに投資は要らなかったりする。
そういう訳で、すっかり童心に還り、遠足前の子どものようになった僕。
無論、次の日は完膚無き寝不足状態となり、元気なのか死にかけなのか分からない体調で、萩まで車を走らせるのであった。(with後輩一人)
実釣。
出船は18:00。萩マリーナから出港する。
湾内はベタ凪ぎで良い感じ?とりあえず日差しは痛いが風が涼しい。
余談だが、船に乗る為には必ずライフジャケットを装着しなければならない。
安いのは3000円で売ってあるが、僕は12000円くらいする、腰に巻くだけのイカしたヤツを持っている。これはただのミエなのだが・・・。
あとは船上で滑りにくくなるデッキシューズ(ブーツ)を持っておくと楽。
海水がバシャバシャ飛んでくるので、密閉性が高く、かつ頑丈なタックルボックスもあると嬉しい。
ということでいよいよ出港である。
しばらくは我慢で、完全に日が沈み、集魚灯を焚いてからが勝負とのこと。
実際、日没まで1時間程度シャクリ続けてみたが、アタリ1つなく時間が過ぎていった。
俄かに活気づいたのは、大体20:00前後だった気がする。船には7人いて、全員がイカメタルをやっていたのだが・・・。
最初にアタリがあったのは、何と僕。
深さは40mほどで、海底からリール4巻きくらいである。
最初は完全にゴミが引っ掛かったと思っていたが、いざ回収してみると・・。
はい、かなりいいサイズ(とそん時は思った)のケンサキイカであった。
正直周りもバンバン釣れていたので、僕もとっとと仕掛けを降ろすべきだったのだが・・・。
人生初のイカの美しさ、そして烏賊童貞を卒業した嬉しさから、しばらく余韻に浸ってしまった。
釣りたてのそれは異常に美味すぎて、涙が一滴垂れる寸前になるほど。
アニサキスが恐かったが、ちゃんと表面を包丁で切っていたし、釣りたてだし、ま、いっか。
その後は集魚灯に誘われてイカが浮いてきたらしく、表層から15m以内に固まるようになってきた。
僕もそこからコンスタントに、5杯くらいまでは追加できた。
初心者の後輩は、僕を超えるペースで追加しており、キャリアもくそも無いのだなと実感した。
しかし・・。
だが、僕が2桁に乗る前に、アタリが完全に止まってしまう。船に乗っている人全員だ。
小さいベイトは相変わらず表層に群れており、正直意味が分からなかった。
そんな状態は30分くらい続いただろうか。タバコを吸いたくても、海水に濡れて全然美味しくなかったので、そわそわした時間がきつかった。
仕方ないので、海底まで落としてみると、なんとそのフォール中にヒット。
全員タナを海底近くにすると、さっきの倍のペースで釣れ始めた。
後で色々と理由を探ってみたが、表層にダツが泳いでいたことが原因ではないだろうか、とのこと。確かに、ダツがいるなとは思っていた。
さあ、あとは納竿まで釣り続けるのみである。
そこから2時間、全く釣れるペースは落ちず、数を数えるのすら面倒なほどであった。
で、24:00に納竿とした。
クーラーボックスはパンパン、顔はホクホクであった。
最高の烏賊童貞卒業日であった。(下ネタに見えて全然そうじゃないという)
帰還後。
まずは数を数えてみた。
僕が29杯、後輩が24杯。
尚、1杯はイカ刺しに献上しているので、僕は30の大台に乗った。
ペットボトルと比較すると、サイズも立派でまぁ嬉しい。
市場の一角みたいな状況で、帰ってからもにやにやしてしまった。
が、バイオリズムがどうとかであるが、状況というのは上がれば下がるもの。
ここから調理という鬼のような時間が待っていたのだ!
で、まぁ、思い出したくないし思い出せないのもあるけど、3時間みっちりと調理をして終了。
外を見ればヒグラシが鳴く時間も過ぎ、カラスが鳴いていた。日も昇っていた。
イカ刺し用に20杯程、残りは全て輪切りとゲソに分けて、唐揚げにでもなんにでもしてくれよ状態にした。
翌日イカ達は、食べ盛りの後輩を7人くらい呼んで、酒と共に消費しようとした。
が、5時間かかっても、10杯分くらいを残し、完食は出来ず。顎も痛かった。
まだ僕の家の冷凍庫にそれは眠っている。いつ食べようかな。
さて。
イカメタルという新ジャンルは想像以上に面白い、イカした釣り方だと述べてまとめにしようと思う。
これで残りはまた一つ減って64種。
僕の釣りノートにまた新たなページが増えたのである。
余談。
「イカ」と僕はこの記事で何度も言っている(大量のダジャレ含む)ので、時間がある人は数えてみると暇が潰せるかもしれない。