最近の休日は、天気が荒れたり、連休がなかったりする関係で、釣行は渋りがちだ。
これは、天気と僕の意欲が回復するのを、ただただ待つしかない。
一方、別の楽しみが出てきたのもまた事実。
最近の休日は、とりあえず何かしらの魚を買ってきて、やたらと凝った料理を作るようにしている。
結構リフレッシュにもなるし、できたメシも、ちゃんと美味い。
こうしてネタにもなるから嬉しい。
そして今日。
僕は無性にアジが食いたくなった。
だから僕は、アジで晩飯を作ると決めた。
ただ、問題点が一つだけ。
今日は日曜日。つまり、港が開かないのだ。
「アジの在庫、まだあるかな?」
不安とかその辺とかをとりあえず懐にしまい、僕はスーパーへと繰り出したのだった。
そして出会う。
着いてみて僕は愕然とした。
アジが一匹もない!のだ。
よく見れば、アジのタタキは大量にある。
在庫はあったが、全て調理されたということだろうか。
確かにアジのタタキは美味いから、売れ筋だよな。
となれば、何を買って帰ろうかな、と。
カサゴ4匹とかメバル4匹みたく、やたら数の多いパックはあるのだが、さすがに手が伸びない。
そうこうしていると、とある魚が丸々一匹、メバルの横にちょこんと売られているのに気付いた。
その魚とは、『アブラメ』。
おいおいマジか。
レアな魚じゃないか。
高級魚じゃないか!
そう思うや否や、僕はその魚をレジへと持っていくのであった。
お前はどっちだ?
コイツだ。
改めて思う。
お前、本当にアイナメか?
クジメじゃないのか?
まず、高級魚の割に、値段が安すぎる。
鮮魚部とは、目利きのプロ集団だ。
赤字になりそうなこういう間違いをするかというと、ちょっと微妙である。
少し調べてみた。
『あぶらめ』が、クジメもアイナメも総称するのなら別に問題はない。
しかし、検索してもヒットする語句は、『あぶらめ』が『アイナメ』と同意だということを示すものばかり。
つまり、クジメとあぶらめは別ものだ。
・・・とは言っても、やはり値段がおかしい。
安すぎる。
・・・お前はどっちなのだ!!
僕はアイナメとクジメの判別方法を基に、ちょいとチェックしてみることにした。
ここを見よう。
取りだして、横たえてみる。
実を言うと、この時点で、こいつはクジメだと分かる。
値段が値段だから、クレームとかはしないけど。
見るべきはただ一つ。
尾びれだ。
それは、並べてみると分かりやすい。
左がクジメ。
右がアイナメ。
クジメの尾びれはアーチを描き、アイナメの尾びれは真っすぐ揃う。
何なら、体色も全然違う。
上がクジメ、下がアイナメ。
クジメは黒っぽい色、そして、
アイナメの方が明るい色になる・・という傾向はある。
あと、口の形を見れば分かるという。
クジメの方が細口なのだとか。
正直、尾びれと体色だけで判別はできる。
ま、クジメと確定したけれど、食ったらどう感じるかは、正直僕の問題である。
ということでまずは 何より、調理!
捌いてみると。
カサゴの仲間ではあるが、身の感じはカレイっぽい。
特に輸入物のソレに似ている。
骨は頑丈で、三枚おろしそのものは、し易かった。
そしてすべてを刺身にしてみた。
アニサキスを斬殺できるよう、できる限り薄く。
いるかどうかは知らないが、あの痛みはご免である。
さて、そうしてできた刺身を一口。
悪くない味がする。
前評判のクソみそ加減程の不味さは、全然感じなかった。
ただ、磯魚特有の臭みが少し気になった。
生で食べるのは、最善策ではなさそう。
となれば、まず一品は炙りに決定。
あえて焦げ目がつくまで炙ってみた。
そしてもう一品は、とあるサイトを参考に、ユッケにしてみた。
そのサイトは、記事の最後にURLを貼る。
つーことで、クジメの炙りとユッケの完成である!
(炙りがかなり見切れているが)
感想としては、絶対にひと手間を加えるべきだというのが第一だ。
炙れば臭みが消えて、シロギスに近い味がした。
雰囲気、少しだけ脂の少ないキス、というのに近い。
ユッケにしたら、はっきりと美味かった。
ニンニクと生姜の力で臭みが飛び、良いところだけが残った感じだ。
『味が数段落ちる』だのなんだの、悪い謂れをするクジメだが、決して不味いとは感じなかった。
調理法を工夫すれば、美味しく頂けるのだ。
クジメ料理に加え、前回からカチコチに冷凍していたアラカレーも解凍し、完食。
かなり有意義で、満足な時間を楽しめた。
終わりに。
これで残りは96品目。
ぶっちゃけ、このシリーズはかなり楽しくやれている。
数が増えれば、このブログの大きな柱にもなってくれそうだ。
暖かくなれば、釣りにも行けるだけじゃなく、市場などの魚の顔ぶれが変わる。
そういうところを歩くと、きっと楽しいのだろう。
そして、また何かを閃くのだろう。
楽しい未来を想像すると、ワクワクする。
でも、可能性の中に生きていたら、いつまでも何も出来ないだろうなぁ。
そんな深いことを思いながら、明日の準備にかかる僕。
3月は、連休が無い。
無いったらない。
どうしようも、ない。
―どっか、出かけたいなぁ・・・
※ユッケのレシピはこちらを参照しました。