これは去年の春ごろのお話。
僕は趣味の1つである家庭菜園を始めた。
庭にプランターを2つ置き、それぞれにはつか大根と細ネギを植えて、成長を心待ちにしていた。
そんな僕の菜園に、とあるお客さんがやってきたのは、それから2週間ほど経った後のことだった。
はつか大根の葉が青々と茂り始めたころ、僕はある生き物がいることに気付いた。
アオムシである。
釣り餌の方ではなく、モンシロチョウの幼虫の方。
ずんぐりむっくりした体。
のったりした動き。
そして何よりよく食べる。
僕はこのアオムシにちょっと惹かれていた。
※実際の写真はちょっとアレなので、ニャッキの画像をお楽しみください。
僕ははつか大根の葉についていたアオムシを4匹ほど採集し、
ホームセンターで買ってきた虫かごに入れて室内で飼ってみた。
もちろん、エサとしてキャベツの葉を入れるのは忘れない。
すると奴らはよく食べる。
みるみる内にキャベツは無くなり、代わりに大量の緑のうんこが虫かごに転がり始めた。
見てて飽きないコイツら。
僕はコイツが蝶になるのを心待ちにしていた。
変化があったのはそれから5日後。
急にエサを食べなくなり、アオムシが虫かごの壁をせわしなく這い回るようになったのだ。
「いよいよサナギになるのかな?」
僕は心が躍った。
だがその日も仕事があったため、彼らがサナギとなるのを見届けることなく僕は出かけた。
仕事を終えて帰宅した僕は、さっそく部屋の電気を点け、
虫かごを除いてみた。
そこには想像を絶する光景が広がっていた。
壁に張り付いた全てのアオムシから、無数の小さいマユが出ている。
アオムシはピクリとも動かない。
よくよく見ると、そのマユが何個か孵化し、小さいハエみたいなのがカゴの中にいる。
僕は全身に鳥肌が立つのを感じ、すぐさまフマキラーで全てを滅殺した。
※実際の写真は非常にグロテスクで精神に害がある可能性があるため、タマタマの画像でお楽しみください。
あとから調べてわかったことだが、このハエらしきものはアオムシコバチというらしく。
生きたアオムシに産卵し、孵化した幼虫はそのまま生きたアオムシを内部から食い荒らし、そして最終的には生きたアオムシの内部で繭となり、やがて成虫となるという。
非常にえげつないことをする昆虫なのであった。
しかも自然界のアオムシがこのハチにやられるリスクは50%を超えるという。
皆様も、かわいいからという安易な理由でアオムシを飼うときは、気を付けよう。
下手すると、トラウマレベルにえげつない光景を見る羽目になる。
どうせ飼うならアゲハチョウとかジャノメチョウとかのが安心かも。
もっとも、その分幼虫を探すのは難しくなるが。
ということで、俺のぬし釣りの昆虫一発目はまさかの寄生虫。
胃袋が酸っぱくなるね!