今日はたっぷり寝て、明日は早朝から釣りに行く予定だった。
が、急用がスポンと入り、どうにもならなくなってしまい、モヤモヤする。
10月最後の更新が野草ってどうなんだろ…ってのもあるし、ふと思い出したことで更新する。
僕は3年ほど前、一時期家で海水魚を飼育していたことがある。と言っても、熱帯魚ではない。
その辺の防波堤に居るような魚である。
潮だまりや海水浴場なんかで採集してきて、水槽に入れてただ観察するのだ。
「海水魚って、難しくない?」と言われたが、実際難しかった。
だが、経験を積んでいく内に、観察してて非常に面白い魚や、必要な機具なんかもわかってきた。
ということで今回は、自宅アクアリウムを作るにあたり、最低限知っておいた方がよいことを4つほどご紹介する。
①必要な機具。
水槽は当然として、エアーポンプとろ過装置も必須だと思う。
あとは、比重計とか、硝酸塩測定用のペーパーも要る。
塩分濃度や海水魚に有害だという硝酸塩を放置していると、古代みたく大量絶滅のリスクが高まる。定期的にチェックしないといけない。
塩分濃度については真水を足せば調整できるが、硝酸塩は魚のフンや餌の余りから発生する上、ろ過してもしきれないので、非常に注意が要る。
ちなみにここを細かく書くといつまでも本題に踏み込めないので、以下のサイトや本を参照していただけると有難し。尚、水槽や機具は記事の最後に纏めて付記する。
ちなみに、僕は水槽の底に海水浴場でとってきた砂を敷いて、適当に拾った岩で簡単な隠れ家のようなものを作ってレイアウトしていた。
海藻は手間だったしすぐ枯死してしまうので、海藻の模型を買ってきて置いていた。
砂場・岩場・海藻のコーナーを作っておくと、この魚はどこに居着くのかとかが観察出来て、非常に面白かった。
②海水を用意する方法について。
手っ取り早いのは、海から汲んでくる方法である。
ポリタンクの口に布を被せて、その状態でバケツか何かからタンクに海水を汲めば、大抵のゴミは取れる。
ただ、塩分濃度が下がる雨の直後や、水が濁っているときは飼育用に使えないし、立地の条件で難しいこともあると思う。
そんな時にオススメなのが、人工海水というものである。
インスタントスープの海水版みたいなもので、水と混ぜればお手軽に海水ができる優れもの。
先に挙げた比重計を参考に、きちんとした濃度で作れば、とりあえず飼育に困ったことはない。
ハッキリ言って天然の海水より遥かに綺麗なので、見た目的にも良い。あと、結構安い。
③オススメの海水魚。
アクアリウムと言えば熱帯魚であるが、僕は身近な魚の姿を観察したかった為、そういった魚は一切飼育したことが無い。
代わりに色々と味がある魚を飼育してきた。以下、飼い易さ、面白さなんかを鑑みて、オススメできる魚をご紹介。
チヌ
http://beach186.blog118.fc2.com/
海水浴場のアマモの中なんかに群れでいる。釣りよりも網でないと採れないサイズの方が、飼育し易い。
非常に頑丈な魚で、一度急激な水質悪化で大量絶滅が起こりかけた時も、ぴんぴんして生存していた。
餌は地アミ、砂ゴカイなど。食欲も旺盛で、見てて面白い。
アミメハギ
http://withyoursmile.web.fc2.com/yawatano/yawata_Photo/reguler/amimehagi.html
ちょうどこの時期、防波堤に入り込んだ漂着物の下や、岸壁に良くいる。最大でも10㎝くらいと大きくならないハギで、とても飼い易い。
おちょぼ口で餌を食べる様は、すごく癒される。
餌は地エビがいい。あとはメダカの餌とか。砂ゴカイなんかをあげると、一部分だけ噛み千切って満足してしまう為、ゴカイが体の大半を残したまま死に、水質が悪化するからである。
クサフグ
https://d1f5hsy4d47upe.cloudfront.net/fa/fa9e4ec7e6afb50d1dc5e88d7415f4d5_t.jpeg
海水浴場の浅瀬や、岩場のすぐ側などで、2cmくらいのそれが群れで回遊していることがある。それは網で採りやすい。
砂に潜って寝る様とか、ゆらゆら泳ぐ姿とか、なんか時の流れを忘れる感じである。
釣りでは嫌われものであるが、飼育する分には面白い。餌はアミメハギに同じ。
番外編1 砂ゴカイ
魚の餌としてたまに水槽に入れていたが、運よく食われなかったゴカイはどうやら体が強いらしい。
最終的に水槽を片づけた時、砂の中からかなりの数の砂ゴカイが出てきたからだ。
泥の中の有機物を食べる為、砂を綺麗にしてくれる。そういう目的で飼うのもありかもしれない。
ちなみにアオイソメはガタイに似合わず非常に弱い為、最終的な生存数は0だった。
しかも砂の中に潜った上で死ぬ為、砂が腐って黒ずんでしまう。悪臭の原因にもなるので、アオイソメはちょっとオススメしない。
番外編2 カニ
http://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/704/Thumb630/isogani.jpg
いわゆる掃除役。運悪く死んでしまった魚や、余った餌なんかをパクパクと全部食べてくれる。
生きた魚を捕食しないのかと心配になるが、どうやら死んだものを率先して食べるらしく、とりあえず見た感じ被害にあったことはない。
番外編3 イソスジエビ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%82%A8%E3%83%93
これまたいわゆる掃除役である。
最初は気の毒だが餌として採集したのだが、エビの大きさと飼ってる魚の大きさがトントンだった為、喰われることなく生存した。
カニほどではないが、残りかすの餌を処理してくれる為、非常に助かる。
④採集のコツ。
オススメの魚がわかったところで、採集のコツは何かというお話。
とりあえず、虫取り網ではなく、メダカ網を使う方が良い。
理由は乱暴に言うと、メダカ網の方が水生生物採集に特化した形状や強度になっているからである。
尚、メダカ網は虫取りには向かない。理由は言わずもがな。
魚が居るのは、大体は水草の中や岩の下である。一番良いのは、潮だまりの海藻の中。
その中をメダカ網でわっしゃわっしゃしたり、岩をめくったりすると、十中八九何らかの魚が飛び出してくる。
運が良ければ、アイナメやベラ、ダイナンギンポやナベカといった魚が採れるが、飼育に向いているかは微妙である。
海水浴場であれば、浅瀬をシュノーケリングしながら海藻のある地点を探るという方法がオススメだが、今の時期にそんなことしたら死んでしまうので、やめておこう。
あとは、防波堤と岩場が併設したところで、岩場から水面まで安全に降りれるのであれば、そこも好ポイント。
一定周期でグレやクサフグ、たまにゴンズイの群れが回遊してくるため、上から叩きつけるように網を振れば、結構採れる。
採った魚の持ち帰り方だが、僕はクーラーボックスに海水を入れて持ち運んでいる。
理由は、今の時期ならまだしも、夏場はすぐに容器の水温が上がってしまい、虫かごやバッカンなんかでは、家に着くころには全滅という憂き目にあったことがある為だ。
電池式エアーポンプもあった方がいいが、今は酸素が出る石なんていう優れものもある。
本によっては釣りでの採集をオススメしているものもある。
ハオコゼやキヌバリ、アナハゼや小さいチヌなんかは確かに釣りの方が良いかもしれない。
注意すべきは、なるべく釣った魚を地面や人肌に触れさせず、速やかに容器に移すことと、針のカエシを潰しておくこと。
地面に落ちれば、鱗が取れたり体を強打したりと当然大ダメージを受けてしまうし、魚は人肌の温度程度でも火傷をしてしまう。
また、針を外すのに手間取ればこれまた大きな傷になるし、カエシがあれば最悪口周りの肉をえぐってしまうためである。
丁寧に丁寧にを心がけよう。
終わりに。
正直言って、他にも説明しなければならないことは山ほどある。
採ってきた魚をそのまま水槽にぶち込むと、温度差次第では死んでしまうとか。
気質によっては、共食いや他の魚を襲うこともあるとか。
その辺りは、「よっしゃ!やったるぜ!」と思ってから、その人が初めて調べて頂いた方が良いかと思い、今回は割愛した。
あまりくどくど書いても、きっと気が滅入ってお終いなので。
ということで、意外と充実したお茶濁し企画。
皆様も一度、自宅にアクアリウムを構えてみては?
ちなみに水槽作ってた当時の写真が無いのは、その写真を撮ってた携帯がご臨終した為である。
グレ、イトマキヒトデ、クサフグ、チヌ、イソスジエビ、カニなんかが居て賑やかだっただけに、かなり残念である。