先日、とあるスーパーの鮮魚コーナーで、フグを肝ごと売っていたとのことで、全国的なニュースになっていた。とてつもなく危ない話だ。
天然のフグの肝は猛毒(テトロドトキシンなどの神経毒)を蓄積しており、食ったら冗談抜きでご臨終だ。
しかしながら、某無人島生活とかを観ていた方からは、こんな声が聞こえてきそうである。
「でもま、無毒なハコフグとかなら食えるでショ」
どっこい。
大体は安全に食えるが、ハコフグの皮にはパフトキシンという毒があるし、食ってる餌によっては、普通に毒を蓄積することもある・・という資料があった。
そのため、「ハコフグかわいい!キスしてインスタ映え!」などとやってしまうと、その行動で中毒になってしまうかもしれないのだ。
だから、ハコフグの皮は食品衛生法で販売が禁止されていたりする。
さて。フグ1つを例にとっても話はどんどん膨らむのだが・・。実際のところ、魚食についての注意事項、その認知度はどうなのか。
「クサフグって丸ごとから揚げにしたら食えるよね?」という極めて恐ろしいことを訊かれたことがある。
「アニサキスは自分で釣った魚だと、新鮮だからおらんのよ!」というわけのわからないことを言われたこともある。
うむ、なんか怖くなってきた。
ということで、「実はかなり危険な誤解なんだけど、知らなかったら怖いなぁ」という知識に絞り、今日はここで解説してみる。
アニサキスはどこにいる?
僕も去年やられてしまった。アニサキス。確かそん時は、適当なサケを適当に刺身にして食ったことが原因だった。
翌日、猛烈な腹痛と吐き気に見舞われ、トイレで血が混ざったゲ○と○リを何回か吐瀉したのを覚えている。
辛かったなあ。
そんなアニサキスの症状とか、意外と身近なところに潜んでいるという点が流布したせいか、一時鮮魚店の売り上げが目に見えて落ち込んだという。
何というか・・・。僕は「そこまで恐れなくても」という感想が正直なところである。そこで少し調べてみると、すごく分かりやすく情報が纏められたページがあった。
さて。知らなかった情報はいくつあっただろうか?
そして、「釣った魚は、新鮮だから安心!」というのはチンプンカンプンな論理だとお分かりいただけただろうか。
むしろ、釣った魚は、ほとんどプロではない人間が調理をすることになる。(僕然り)
だから、実は釣り人(=素人として)の調理の方が、アニサキスの発見や処理の面で、鮮魚店のそれよりどうしても危なくなる、と言えてしまう。
アニサキスは、魚が存命の内は内臓に寄生している。そして、鮮度が落ちてくると、筋肉へ移ってくることが分かっている。
故に、ジギングとかで釣ったブリを刺身で食べたければ、釣って即締めて、内臓を取り除くとリスクが減る。
イカなんかは、刺身にできる状態にして、一晩二晩凍らせると良い。過去にイカを大量に釣った時も、冷凍してから刺身にして食った。
不味くなったという実感は0。後輩を5,6人集めて食ったが、食中毒も0であった。青魚狙いの釣行では、こういった寄生虫の知識も覚えておいた方が吉である。
サマになった写真を撮りたい気持ちはわかりますけれど。
ブラックバスの下あごを人差し指と親指で挟み、持ち上げ、カメラに向かって突き出す。
https://fishingjapan.jp/cmsimg/tpc2231-main.JPG
釣り情報誌とかでお馴染みのあのポーズ。とりあえずあれをやっておけば、結構サマになる写真が撮れる。それは認める。
しかし、あのポーズをやってはいけない魚がいる。
例えばマダイ。
僕も釣ってすぐ、上記のポーズをコイツでとってみよう!と考えたものだ。しかし、その旨を伝えると、同乗者の方にちょっと怒られた。
「アホ、指を砕かれるぞ!」とのこと。
大げさだろうか。いや、そうではなかった。あいつらの顎は、甲殻類や貝類もボリボリとかみ砕いてしまう。
自分の指がそれらよりも硬い自信がある方は、おられるだろうか。もし僕がアホ丸出しで指を突っ込んでいたら、下手すれば親指が変形していたかもな。
怖い怖い。
捕食する生物の中に、貝と魚類が含まれる魚は、口に手を突っ込んだら危ないことが大半だ。
顎が頑丈か、牙が鋭いためだ。砕かれるか切られるかの二択になる。でも、その線引きはかなり複雑でメンドクサイ。
タチウオはめちゃ危ない。でも、スズキは手袋しておけば大丈夫っぽい。
だからといってヒラメの口に手を突っ込むのは、いくらなんでも正気ではない。
でもソイとかは大丈夫なんだよなぁ。しかしサワラの口に指を差し出すなんて論外だったりもする。
・・・でもま、こういう道具があるので、安全第一ならこれを使ってみては如何だろうか。
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淡水魚を刺身(生)で食うとどうなるの?
記事を書くにあたり、改めて色々と調べてみたが、どうやら意見が真っ二つに割れているようだ。
・食っても大丈夫だよ!俺がそうだったんだから派
・いやいや、寄生虫で死にたいのか!派
みたいな感じである。まず、ここでいう淡水魚を定義しないと、話が始まらない。
とりあえず、完全養殖されているそれは除外する。例えば、アユとか、サケ・マス、渓流魚がそれにあたる。
つまり、この記事における『淡水魚』とは、その辺の川で釣ることが可能なそれ、に範囲を絞ろうと思う。
さて。定義がこれなら、僕はハッキリと「食わない方がいい」と助言する。そして、どうしても食べたければ、火を通せと言う。
一応断っておくと、綺麗な川で釣れたオイカワは普通に美味かった。あと、カマツカっていう魚も、適当に揚げたらこれまた美味しい。
ただ、生で食おうぜ!とは、迂闊にすすめられない。単純に心理的な面で、僕は寄生虫と水質汚染が怖いから、というのが大きい。
あとはそれらのリスクを取ってまで、食いたい魚がいないのもあるか。
まず、淡水魚に寄生する奴に、有棘顎口虫というのがいる。Wikipediaの記事を読んだだけで、それにぞっとするのは久しぶりだった。
症例に目を通してみると、恐ろしさが分かる。(食事中は非推奨)まずこれが寄生虫面の理由である。
次に、水質汚染について。問題は、川におけるそれは、より深刻というのが大きい。
海の場合、極論沖合に出れば、”汚染”のリスクは減る。だって海は大きいから。
だが、川は?
やはり規模の面ではスモールだし、場所によっては生活排水がダイレクトに流れるという実情もある。
僕の近所には大規模な川があるっちゃあるが、とりあえず自転車が二台沈んでいる。農業用水の池とか、透明度を計るとめちゃ低い数値が出そうなものだ。
そういうところで暮らしている魚となると、ちょっと厳しい。
綺麗な川だったらまだマシだが、大体の川は、そこから住宅地が見えてしまうので、釣って食べるのはためらわれる。
これが、水質汚染面の理由である。
さて、これらのリスクを取ってまで、生で食いたい淡水魚はいるだろうか。とりあえず僕にはいない。
アユやニジマスが好きだが、養殖のそれの方が確実に安全で、なにより美味い。だからわざわざ、僕は淡水魚を生食はしないし、人にすすめもしない。
個々人の価値観によるところが大きいのだが、とりあえず僕は、ということで。
終わりに。
本当はまだまだ啓発したいことはある。しかし、際限がない。際限がないといっても、200Pくらいの本にまとめる程はもちろんない。
釣りというスポーツ(なのか?)・アウトドアは、最近ますますメジャーになりつつあるよう僕は感じている。
だからこそ、リスクの面も知っておかないとやっぱり危ないし、また本質理解に繋がらないという、重くて面倒なことを僕は思ってしまう。
さて。
そろそろ実釣とか行きたいとずっと思っているのだが、冬将軍様がお帰りになられないので出るに出られない。
寒波が来ているということは、海は大荒れ。魚は釣れないし、遭難のリスクも想定できる。
家を出ることへのリターンが、あまりにも少ない。だから僕は春先までは、下手すると引きこもることになるかもしれない。
気が向いたらカレイ、行こうかな。
まぁ、ボチボチ考えます。
※防波堤で釣れるやつに特化したのはこちら↓
pochihiko-inunosuke.hatenablog.com