今日は久しぶりにして貴重な休み。
それまでの平日は仕事が終わった後、様々な釣果状況に目を通し、自分のテンションを高めてきた。
僕の中では、本虫と砂虫を買って、カレイと根魚を同時に狙うプランが確定していた。
しかし。
前日の時点で、外を見て愕然とした。
外一面が銀世界ではないか。
こんな中海へ繰り出そうものなら、死さえチラつく状況だ。僕は釣行を取りやめた。
そうなれば持ち上がるのが、あの問題。
そう、記事にするネタを仕入れられなくなってしまうという問題だ。
結構最近は自分の足で材料を探そうとしてみた。しかしむなしく空振りするばかり。
野草を探して散歩をしたが、この時期にそういうのが茂っているわけもなく。
昆虫はここ最近、全くといって良いほど見ていない。
釣りは冬将軍のパワーで、最近遠ざかっている。腰も重い。
どうしたものか。
僕はヒントを求めて、かつてドハマりしていた釣りゲーム―このブログの理念のおおもとでもあるのだが―『ぬし釣り64』を数か月ぶりに起動した。
抜けていた要素。
ゲームの中での僕は自由だ。
ストーリーを進めてマウンテンバイクとカヌーを手に入れられさえすれば、文字通りどこへでも釣りに行ける。
釣った魚は釣りノートいうアナログな何かに、自動的に記録されていく。
丁度このブログに僕が書き散らしているように。
そんな釣りノートというのを読んでいて、あることに気付いた。
『食用としてメジャーであれば、ほぼ例外なく食味のレポートや調理法が載っている』のだ。
例えば、ウミタナゴの身は『水っぽい』らしいし、ハゼは『天ぷらで美味』だという。
そして冷静に今まで書いてきた記事を振り返ると、見事にこの要素が抜けているのでは、と感じるようになったのだ。
刹那、とあるアイデアが閃く。僕の夢にも通じることでもある。
『釣りとは別に、特にマイナーなものから順に、調理法や食味のレポートをまとめよう!』というものだ。
僕が伝えたいメッセージは、乱暴に言えば『魚類の魅力』『釣りの魅力』『別視点からの自然の楽しみ方』に尽きる。
これらは全て、ぬし釣り64から吸収した。
その中でも魚類の魅力においては、その食味は大きなポイントとなる。
しかし、見た目だとか知名度とかで、買ってみよう、食べてみよう、と思われることが少ない水産物が多いのも、残念ながら事実である。
「じゃあ、いっちょ僕がその紹介をやってやろう!(ネタも切れているし)」
「前職は一応、水産物に関わりが深いそれだったしな!」
というワケで。
そこで新企画(新記事ジャンル)となる、
『僕はあらゆる水産物を賞味したい』というのを始めていく。
ルール。
とはいえ、最低限のルールは設定しておかないと、色々とブレてしまう。
『釣りを含む採集、飲食店、スーパーなどでの購入を問わず、知名度が低いと考えられる魚を食し、その実をレポートする。』
というのが大枠でいいと思う。
その中でも、さすがになぁ・・という例外は以下のように決めた。
・寿司ネタは除外。
・刺身5点盛りなども除外。
理由は、上記のものもOKにしてしまうと、あっという間に種類だけが増えていってしまうからだ。
僕はもっと1つ1つを丁寧に賞味したい。
あとは、
・2018年2月12日以前にこのブログにて紹介し、実際に食した魚であっても、数には含めない。
ことにした。
なぜかといえば、全ての記事をじっくり読んで、現在何種類やで!なんてカウントし直すのなんて、不毛極まりないからだ。
また、「新たな気持ちで始めたい」ってのも一因としてある。
さて。
最終目標であるが、ここはキリよく、
100種類
を目指そうと思う。
とりあえず中間目標として、
5月までに25種類
を掲げることとする。
細々した説明はここまでにしよう。
僕は鼻孔を膨らませながら、身支度を整えた。
記念すべき第一号となる魚を買いに、スーパーに出かけるためだ。
スーパーにて。
僕の住んでいるエリアは、日本海と瀬戸内海に面している。
市場やスーパーに並ぶ魚介類の多さは、他県と比べても多い方なのではなかろうか。
その中でも鮮魚に力を入れている店を知っていたので、まずはそこへ向かった。
しかし、着いてみると、駐車場入り口が施錠されている。
祝日は店が閉まるらしい。なんとマイペースな。
仕方がないので、近くの別のスーパーへ移動した。
鮮魚コーナーを物色するも、メジャーな水産物ばっかりである。
アジ。イワシ。ハマチ(≒ブリ)。もずく。サーモン。
「これは早々に企画倒れか・・・?」
とか考え始めたとき、ある魚が目にとまった。
「これなら、まだ食味についてピンとこない人も多いかな」
そう考えて、僕はある魚を購入した。
本日ご紹介するのは・・・
こちらである。
ホーボーと書いてあるが、つまりはホウボウのことである。
https://stat.ameba.jp/user_images/20140331/02/osakana-mami/ab/fe/j/o0720054012892637147.jpg
こちらが海中での姿。エラの周りについている脚的なもので歩くように海底を這い、餌を探すというヘンな生態を持っている。
ちなみに、海のぬし釣りというゲームでは、ゴカイなどの虫エサで釣れる。
余談だが、ヒレを広げた姿を上から見ると、結構綺麗であったりもする。
さて。
見た目がなかなかに突飛なので、知らない人がこれを見て、美味そうとはなかなか思わないのが正直なところ。
実際の味はどうなのだろうか。
ということで早速調理を始めていく。
スーパーで購入した魚を調理するときは、キッチンペーパーで表面や腹の中を拭いておくと、余計な臭みが取れるのでオススメ。
その後は全てを三枚におろし、半分は皮をひいた。
せっかくなので、刺身と塩焼きでシンプルにいただこうと思ったためだ。
薄く塩コショウをまぶし、こんな風に炒めていく。
刺身にする工程は、作業に集中し過ぎて写真を撮り損ねた。
この時点で、包丁を入れた感じの身の感想としては、『ハタっぽい』というのがあった。
(やはりというか、調べてみるとカサゴ目の魚だという)
ちょっとベタっとした感じといえば伝わるだろうか。
ヒラメみたいなシャキシャキした感じではない。
また、アンコウほどホロホロはしないけれど、系統としては似ている。
・・・そんなこんなしている間に、ホウボウのお刺身と、塩焼き(塩炒めといった方が適切だけど)が完成した。
調理時間は20分くらいであった。
ということで昼飯として頂く。
刺身。
これは、寿司ネタで出てきても普通に頼むくらい美味い。
昔食ったクエの刺身に似ている。臭みも全くなく、上品な味わいがある。
多分煮つけにしたり、しゃぶしゃぶにしたりしても美味しい。
で、焼いた方。
こちらも文句なしで美味い。僕はこっちの火を通した方が好きかもしれない。
何故かはわからないが、火が通るとシロギスっぽい味になる。
つまり、天ぷらにしても美味いのではなかろうか。
こんな風に手放しで称賛しても良いのだが、そうもいかない面が一つだけ。
それは、小骨がやや多いというところ。
コハダほどではないが、気になる人は結構気になるくらいの量があった。
肋骨などは削いだのだが、それでも一切れ4~5本の骨が出てくるほどだ。
ただ、それを踏まえても美味であることに変わりはなし。
ホウボウ、有り難く頂きました。
今後。
これであと99品目となった。
釣った種類とは別にカウントしないとならないので、単位はこちらでは品目とする。
僕は自分で言うのもなんだが、結構好奇心が強いタイプである。
文字として感想を残してはいないが、割とヘンテコなものも普通に食べて、普通に美味いと感じるタチだ。
とはいえ、さすがに昆虫とかをバクバクいったりはしないが。
さて、これからはこういうコーナーも新設し、色々な面から、色々な方法で、僕が思う魚類や自然、ぬし釣りの魅力が伝えられればいいなと考えている。
僕は飽き性でもある。
ネタが枯渇した状況が続くと、このブログそのものへの情熱が冷めてしまうやもしれない。
それを防ぐという意味でも、新たなネタは、軽い気持ちで受け取っていただけるとありがたし。