先日、あるモノを頂いた。
これだ。デビラカレイの干物である。
干物は美味なツマミだと思うので嬉しいのに違いは無いが、実はちょっと手をこまねいている。
何故か?
その量だ。なんとこれが13匹も入っている。この干物を食い続ければ、結構早い段階で、僕の顎は砕けるのではと思う。
しかも賞味期限は意外と短く、一週間くらいしか無いのだ。いやはや。つまり顎を砕けということかな?それはやだよ。
そこで今日は、本当に美味しいけれど、意外ともてあます、そんな干物の新たな可能性を考えてみる。
とりあえず調べてみる。
まず、デビラカレイとは何なのか調べてみた。これは商品名か?
すると、正式名称がそもそも、『デビラカレイ』なのだと判明。
https://blog.goo.ne.jp/mago20140904/e/20e34773aef4c68870861d098456a0ea
瀬戸内海では結構メジャーな干物らしい。瀬戸内海に面している県の生まれだが、知らなんだ。
その他雑多なことは、以下のサイトに詳しかった。
なのでここでは割愛する。
さて。
鉄板の調理法は、トンカチで叩いてから焼く(炙る)というものらしい。背中に切れ込みを入れておくと、なおさらGOODなのだとか。
しかしまず僕は、いわゆる自然の味・素材の旨味というヤツから賞味することにした。
そのままかじってみる。
まずは焼きも叩きも切りもせず、噛り付いてみた。
バリバリと気持ちのいい音が立つ。頭の部分は、普通にそのまま噛み砕けた。
しかし、身はそうもいかない!揚げているわけじゃなく、干しているだけなのだ。骨の硬さは健在だった。
ひたすら噛み続けること数分。
顎の猛烈な疲労と引き換えに、僕はとりあえず、一匹は完食できた。
誤解を招きそうなので早めに言っておくと、味は折り紙付きの美味さであった。日本酒が恋しくなる。そんな風味である。
さて、工夫ゼロだと、やっぱりわかっていたことだが、僕の顎は早々に砕けそうだ。それかバキのキャラみたく、筋肉が異常発達してもおかしくはない。
自然のままの味はわかった。では、続いて定番の食べ方に挑戦してみようではないか。
定番の食べ方を試してみる。
ということでまずは叩いてみよう!
木槌が無かったので、テント設営用のそれで代用。
あとは背中に切れ込みを入れて、焼くだけだ。しかし、そのまま焼いても面白くない。叩く理由は何だ?そのまま焼いたらどうなんだ?
そう思った僕は、比較用に3匹を、違う条件にて調理することにした。
上は、叩いて、切れ込みを入れる。
真ん中は、切れ込みを入れるだけ。
下は、叩くけど切れ込みを入れない。
さて、軽い作業を終えたので、早速焼いてみよう。
洗面所を上手く使えば、室内で炙りも作れるのだ!
完成。
見た目は、結構食欲をそそる。
ますます日本酒が恋しい。
では、感想をば。
叩いてから切れ込みを入れたそれを食べたとき、そういう工程を経る理由が良く分かった。
まず、身が柔らかい。そして、骨から身が簡単に剥がれる。切れ込みがあるおかげで、意外と硬い皮を取るのも簡単だ。
ぺリぺリと剥いでしまえば、チーズ鱈に似た雰囲気の、そういうおつまみへと早変わりであった。
しかし、皮に切れ込みを入れなかったものや、叩かなかったものは、何かと食べるのに難儀した。
叩くという作業をしなければ、結局身が硬い。皮に切れ込みをいれなければ、結局硬い皮を食うことになる。
定番の方法とは、一番合理的な食べ方。色々と身に染みて分かった。
・・もう一つ身に染みて分かったことがある。
それは、このままだと僕の顎は決して長くないということだ。もうなんか痛みを感じる。
干したものを食い続けるのには限界がある!そこで考えた。5分くらい考えた。
そして閃いた。
『そうだ、ダシ、取ってみよう』と。
ダシを取ってみる。
自己流でダシを取っても良かったのだが、流石に乱暴だ。そこで、軽く事前調査をしてみた。
①水に30分程度浸す。
②後、5分茹でる。
というのがベースらしい。
まぁ正直、どのサイトも管理者の我流の色が濃かった。大差ないのか、それとも確立された方法が無いのか。
とりあえず、そこまで考えるとめんどくさいので、さっさと始めることとした。
結構ある。この状態で30分放置した。
そこからは、5分程度茹でてみた。
その間にシャワーを浴びていたので、茹でているときの写真は無い。
ということでこれが完成品だ。
クセがスゴいダシが取れた。
寄ってみるとこんな具合。
ちなみに、香りは完全にカレイの煮物。味もまた、近いものがある。
一応ダシにしたカレイの身を食べてみた。味は全てダシに出てしまったようだが、ほんのりとカレイの味がした。悪くない。
というわけで、無事にダシを取れた!
しかし、取るだけで終わるのは意味がわからない。だから、ダシを使う料理を2品作ってみた。
これだ。
味噌汁(笑)と、だし巻き卵(笑)である。
(笑)が付いている意味は、単純に常識内のそれぞれの姿とかけ離れているためだ。
まずは、だし巻き卵(笑)から実食。
うん。
これは。
店で出てきても頼むくらいの美味さだ。
見た目はカスだが、味は相当のものだ。カレイの旨味が、ここに凝縮されている。
カツオブシとも、アゴダシとも違う。また別の、海産物のダシ。
これは、正直アリですな!
次。味噌汁(笑)。
味噌を入れすぎたものの、カレイの旨味は負けていない。
ニボシ、コンブのどちらにも飽きたとき、カレイというダシの選択肢は本当にアリだ。
また新たな干物の魅力を発見できた。胃袋も知的好奇心も満たされた。面白い発見であった。
合掌。ご馳走さまでした。
・・ここまで書いたら、ハッピーエンド感があるのだが、実際は、まだ500mlくらいのダシが残ってしまっている。
今日それを消費するのは、ものすごくシンドイ。だから冷凍庫で凍らせることにした。
後日、カレイダシでカレーか何かを作ろうかな。ダジャレとしてはゴミのレベルだが、ネタとしては悪くない気がする。
総評。
今後、僕は以下の2点をベースに、干物を賞味しようと思う。
①定番の食べ方を調べて実践。
②ダシを取る。
若者離れがものすごく進んでいるものの一つに、干物や乾物は確実に入っている気がする。
手間がかかるのは事実だ。だが、美味しいのもまた事実。
この記事が、僭越ながら、干物を食べてみようかなという意識の一助となればうれしい。
これで残りは98品目。稼げるうちに稼いでおきたい。
そう思う。
日本のおかず 西 健一郎 幻冬舎 売り上げランキング : 96483 Amazonで詳しく見る by AZlink |