言ったか言わずか、僕の現在の仕事は『塾の講師』であり、いわば『説明を売る』仕事である。
ということでせっかくならば、このブログの中でも、ちょっとした講義めいたことをしても面白いのではないかと思い立ったワケで。
そこで今日は完全なる手探り企画。
『釣り』をテーマに、『知っとくと良いこと』、あるいは『質問がバカ多いこと』について、『授業』のノリで、しばらく書いてみようと思う。
それでは初回のテーマは、『重たいオモリを使っても、遠投は出来ない!』ということの解説である。では行こう。
漢のロマン、投げ釣り遠投!
https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/nage_rd/tournament_procaster/index.html
投げ釣りにおいて、『とにかく遠くへぶっ飛ばすこと』に憧れる人は多い。僕自身も、何人も心当たりが浮かぶ。
だが不思議なもので、その人たちは『重たいオモリをぶっ飛ばせばいいんだろ!』というただそれだけに執着する印象だ。
うーむ、実際これは遠からず近からず。正直、オモリが比較的軽かろうが、適切な工夫をすることで、4~50mの壁は簡単に超えるものだ。
ではそそくさと、その方法の解説に移ろう。
飛距離を奪う最大の原因とは?
まず基礎知識として、『何が飛距離を奪うのか?』ということから説明しておこう。
最たるものは、『摩擦』である。難しく言えば、干渉する箇所が多いほど、飛距離は著しく落ちるということだ。よくわからない。
そこで、僕は物理を習っていないので細かいところは違うだろうが、例え話で説明しよう。
まず、あなたが100の力でキャストしたとする。
この際、そもそもラインが極太だったり、ナイロン素材だったりすると、ガイド等↓にバシバシ当たったり引っかかったりし、エネルギーが奪われる。
http://fishing.shimano.co.jp/product/series/nage-select/15.html
更に、竿が捻じれていたり、極端に柔らかい素材だったり、最悪ガイドが錆びていたりすると、そこでもあちこちにラインが当たり、エネルギーが取られる。
結果、あなたが与えた100のエネルギーの内、仕掛けには5~60しか伝わらない・・なんてこともあり得るのだ。これは結構なロスである。
―となれば、ぶっちゃけオモリの重さを考えるのは二の次、三の次。
遠投するためには、『いかにして摩擦によるエネルギーロスを減らすか?』が一番最初に考えるべきポイントだろう。
では、具体的にこの問題に対処する方法を、いよいよまとめていく。
遠投のためのチェックリスト。
超基本編
□ 釣り具は錆びていないか?
これは問題外。何というか、当然の話である。
□ ガイドは真っすぐに伸びているか?
これも当然・・と言いたいのだが、意外と投げている内に曲がることも多い。(特に振り出し竿)
念のため、こまめにチェックした方がいい。
もうちょっと飛ばしたいあなたへ。
□ PEラインを巻いているか?
摩擦の少なさと強度を考えると、PEラインは最強である。正直、ラインをこれに変えるだけで、飛距離は最大1.5倍にはなるだろう。
単純計算で、同じ号数でもナイロンの4倍近くの強度があるため、丘っぱりからの投げ釣りなら0.8号を巻いておけば十分である。
―ただ糸が細い分ライントラブルは増えるし、FGノットなどの特殊な結び目が必要になるというデメリットもある。
少し釣りに慣れてきたくらいで、導入を考えてみてはどうだろう。
□ 並継ぎ竿を使っているか?
ちょっと主観的な話になるが、遠投にこだわる投げ釣り人(以後、キャスターと呼ぶ)は、大体が並継ぎ竿を愛用する。
並継ぎとはこんな風↓に、リールを付ける部分と先端部分を繋いで使うものだ。
シーバスロッドに多い形式と言えば伝わるのではなかろうか。(竿によっては胴体部分も取れる)
ではなぜ並継ぎ竿をキャスターは愛用するのか?それは、一般的にだが、振り出し竿より飛距離が出るためだ。
振り出し竿はその大半が非常に柔らかく、非常によくしなるのだ。(磯竿だし、かなり極端だが、一例として↓)
http://fishing.shimano.co.jp/isobohatei/hirawa_basis/01.html
これは確かに魚がヒットした後などは非常に優れた利点なのだが、遠投には向かない。良くも悪くも、エネルギーを吸収するためだ。
柔らかいとは、キャスト後にびよんびよんと先端が揺れることでもある。その際糸とガイドが干渉し、やはり摩擦でエネルギーが取られる。
一方並継ぎ竿は特性として非常に硬く、こちらのエネルギーがダイレクトに伝わる。また高価なものほどとても軽いため、思い切り振りぬけるという利点もある。
ボウリングでも、軽い球を投げる方がフォームを乱されずに手を振りぬける。あれと同じイメージである。(後は何より疲れない)
―ただ、個人的には10000円くらいの価格帯には手を出さないと、振り出し竿との明確な利点は感じられない印象がある。
これまたPEラインと同じく、ある程度釣りに慣れてから考えてみてほしい。
むっちゃ飛ばしたいあなたへ。
□ フォームを身に付けよう。
道具をある程度揃えたら、ここからは技術論だ。ただ、僕はここまでガチ勢じゃないので、ここにあるフォームは別に練習していない。
そのため、ここではあくまで練習時の注意事項のみ書いておこう。
① 砂浜がオススメ。遠投用キャストは、失敗するととんでもない暴投になる。
② 投げる前は、糸が絡まっていないかなどに要注意。下手すれば折れる。
といったところだろうか。ただこのキャストを体得すれば、誰も手が届いていないゾーンを攻められるので、未知の魚種や釣果が出てくる可能性もアップする。
何か変にやる気が出てきたので、この春に練習してみようかな。
授業終了。
ということで、『重たいオモリを使っても、遠投は出来ない!!』というテーマで『授業』のつもりで書いてみた。
まぁ、あまり変わらなかったけれど・・・・・。
ということで、今日のまとめ。
飛距離の天敵は何よりも『摩擦』!
オモリを変える前に、それを無くす努力をするべし!
といった具合である。花見カレイの釣果はまだ聞かないが、そこでさっそく実践されてみてはいかがだろうか。
ということで、コロナで色々麻痺っている昨今、少しでも皆様の暇つぶしになっていれば嬉しい。
では今日はこの辺で。
※第2講はコチラ↓
pochihiko-inunosuke.hatenablog.com