釣りビジョンの番組をザッピングしていると、たまに達人っぽい釣り人が【口を使わせる】という言い方をしているのを聞く。
これは『対象魚に技術等を用いて摂餌行動を取らせる』という意味なのだが、僕はこれについて、例えば雨乞いの儀式のようなきな臭さを感じていた。
なぜだか、この辺は人智を超えた話だという意識が拭えなかったためだ。魚だって、食べたいときに食べる。それが自然で、そのスイッチは人間にはどうにもできない。
―しかし、それは僕の浅知恵であった。何と、魚の『摂餌誘因刺激(≒魚が餌を食いたくなるような何らかのアプローチ)』は、結構体系的に研究が進んでいるのだ!
そこで今日は、僕自身が知識を定着させるというよこしまな目的を多分に含めながらも、その解説授業もどきを行ってみよう。
魚の大好物一覧。
一体何の刺激が各魚種の摂餌を刺激するのか?それについて、ある検証をまとめた論文が出ていた。(R)
それによれば、各魚類について、天然の物が捕食する餌、養殖時に使われる餌、そして釣りで使われる餌がまとめられたものが紹介されていた。
ここに書かれていることはすごくわかりやすく、見ていると色々勉強になる。だが、あくまでここはただのまとめだ。こちらが知りたい情報は他にある。
ってことでしばらく読んでいくと、3種類の『摂餌誘因の刺激』についてまとめられている項を発見した。
手短にパパっと、面白い情報を抜き出してみよう。
『視覚』による摂餌行動。
http://hoyatabetai.blog34.fc2.com/blog-date-201403.html
メタルジグなどで釣りをされる方は分かるだろうが、明らかに『視覚』で獲物を認知し捕らえる魚は存在する。(青魚や魚食魚)
そういった魚種に、『たまらんっ!』と襲い掛からせるようなトリガーは何なのか?興味深い観察として、以下の様なものが載っていた。
コイやマダイを対象とした実験から、『蛍光物質』が摂餌行動に関与している(っぽい)!
ほほう。この蛍光物質は何なのか?具体的な物質名は書いてなかったし、僕には理解できないのだろうが、それが多分に含まれるものは紹介されていた。
イソメ類の体液、サバ・サンマの切り身など
―これならば、次回釣行で容易に実験できそうだ。ホームグラウンドの防府はコロナでちょっと怖いので、行くなら秋穂で実験しようっと。
尚、ついでだが、マダイは赤や黄色に反応しやすい!というのも載っていた。とりあえずタイラバ等の色は、これを踏まえ赤のラバーを試されてはいかがだろうか。
『嗅覚』による摂餌行動。
当然だが、『嗅覚』もまた魚類が捕食する際に絶対に関係がある。その仮説を持って調べてみると、魚が積極的に口にしたくなる『成分』みたいな話があった。
僕は化学がチンプンカンプンなので適当なことは言えないのだが・・・。とりあえず乱暴に結果をまとめてみる。
”イソゴカイとツノナシオキアミの合成エキスは最強やで!!”
http://www.team-splash.jp/home/matsuura/seabass%20game/baitfish/main/tamourui01.html
https://www.jr-morioka.com/shoku.project/shokuzai/sui/13.html
というもの。(ちなみに、それぞれ別名、たぶん砂ゴカイと地アミである)
―これらの餌に含まれる成分は、摂餌行動を滅茶苦茶引き起こす・・というデータがあった。(対カサゴだけど)
ということで、より確実に魚を集めて獲るためには、砂ゴカイと地アミを用意しとけば何かしらの魚は寄ってくるだろう!と言えそうである。
接待フィッシングか何かに、参考とされたし。
『味覚』による摂餌行動。
最後は、『味覚』について。『嗅覚』と同じじゃね?と思われるかもしれないが、食べモノの匂いと味って別物だよねと言えばお分かりいただけるだろうか。
さて。こちらは、データがとても少なかったため、仮説レベルの話に留まっていた。それは、
魚の『美味い』と人間の『美味い』は似てる!(ぽい)
というものだ(似たアミノ酸を『オイシイ』と感知するらしい)。僕らは基本、イソメ等のグロい生物を見て食おうとは思わないが、味だけなら話は違うのかもしれない。
ただ釣り人として結構面白いのは、
イカとキビナゴは魚の食いが抜群に良いぞ!(対マダイ)
という情報があったことだ。となれば、例えばサンマの切り身とイカの切り身を同じ仕掛けにセットすれば『最強』ということになるが、実際はどうなのだろうか。
これは近く実験してみたいなぁ・・・。
―ということで、最後にまとめを書いて終わりとしよう。
まとめ!
①視覚に訴えるなら、蛍光(キラキラ)物質を含むサンマやサバがオススメ!
②嗅覚に訴えるなら、砂ゴカイか地アミを用意せよ!
③味覚に訴えるなら、イカかキビナゴが最強だ!
という具合。ノートにはメモを取られただろうか。
とりあえず、ここまではあくまで『理論立て』のお話だ。後はこれを基に『実証』のプロセスがマストになる。
うぅむ。三密対策をしながら遊ぶとなれば・・・
釣りしかねぇ!
ってことで、近くどこかに繰り出します。探さないでください。
では今日はこの辺で。