久しぶりに、知識キュレーションシリーズを書いてみようっと。今日のテーマは、安定して人気が高止まりしている【マンボウ】だ。
https://www.nationalgeographic.com/animals/fish/o/ocean-sunfish/
ちなみに漢字で書くと『翻車魚』であり、こう書くとなんか急に、中国の詩人みたいな雰囲気を纏う。
さて。『マンボウ』と言えば、インターネットミームとして広まった、情報として眉唾なコピペが有名である。以下引用。
・まっすぐしか泳げないため岩にぶつかって死亡
・皮膚が弱すぎて触っただけで痕が付き、それが原因で死亡
・潜ったら水が冷たすぎて死亡
・朝日が強すぎて死亡
・水面で日にあたっていたら鳥につつかれて死亡
・寝ていたら陸に打ち上げられて死亡
・寄生虫を殺すためにジャンプして水面に当たり死亡
・食べた魚の骨が喉に詰まって死亡
・食べたエビやカニの殻が内蔵に刺さって死亡
・水中の泡が目に入ったストレスで死亡
・海水の塩分が肌に染みたショックで死亡
・前から来るウミガメとぶつかる予感がしたストレスで死亡
・近くに居た仲間が死亡したショックで死亡
・近くに居た仲間が死亡したショックで死亡した仲間から受けたストレスで死亡…
うーーーーーーーーーん。
そういえば、マンボウには他にも、嘘かホントか微妙過ぎる情報が付きまとっているな。
やれ卵を3億個産むとか、実は超高速で泳ぐこともできるとか・・・。
こりゃ、一体どういうことなのか、しっかりとキュレーションしときたいな。
ってことで今日は、人気魚ゆえに大変な予感がプンプンするマンボウについて、出来る限りをまとめてみよう。
マンボウ基本情報。
https://animals.howstuffworks.com/fish/sunfish.htm
ってことでまずは基本情報からまとめよう。実は最近見つかったとされる種を含めて、現在マンボウ属には3種類が属しているらしい。
ではそれぞれ紹介していこう。
http://sasuaqu.blogspot.com/2014/12/blog-post_75.html
いわゆる普通の『マンボウ』ですな。水族館での展示もあるが、実は飼育が非常に難しいため、繁殖の成功例は無く、また長期間の飼育例も非常に稀とのこと。
体長は3m程度で、体重はMAX2tを超えるらしい。重さだけならリュウグウノツカイが全く相手にならないサイズだ。
これをもって、最大の硬骨魚類と言われることもあるそうな。(ただし、あまりにも巨大な固体は、別種である『ウシマンボウ』の可能性が高いっぽい)
ウシマンボウ
https://armacao.exblog.jp/26213005/
ゴッツイ顔が特徴のマンボウ。和名や分類を巡ってはかなりのすったもんだがあったらしく、それは以下のサイトに詳しくまとめられている。↓
http://maobow.nomaki.jp/ushi%20mola.html
※理科の知識に無知なため、解説も要約も無理デス!
特筆すべきはそのサイズで、過去最大の固体は2300kgにも達していたのだという。ざっくり横綱白鵬15人分である。
ちなみに、解析が進んだ結果、『実は超デカいマンボウだと思ってたら、実はウシマンボウでしたー』と判明するケースもちょいちょいあるらしい。
カクレマンボウ
2017年に、125年ぶりに登録された新種。
元記事曰く、150以上のマンボウのDNAサンプルを分析したところ、既知のモノと合わないそれが1つあったことから、新種の存在そのものは期待大だったという。
―しかし、生息地もだだっ広く、また死体の漂着例すら稀という特性のため、同定に至るまでにかなりの時間が費やされた・・という話なのだ。
もちろん、研究もそこまで進んではおらず、水族館での展示も、世界のどこにもない。
※詳しいマンボウとカクレマンボウの違いは↑をみてほしい。(英語ですけど)
・・・また、その他にも、マンボウそっくりの生きものは何種類かいるが、マンボウ属は現状上記3種のみ。
https://churaumi.okinawa/fishbook/1521347397/
クサビフグはクサビフグ属である。
https://zukan.com/fish/internal4158
―とはいえ、全種研究はほっとんど進んでいないため、謎だらけという意味では同じである。
ここから先の内容も、フェイクに騙されないよう気を付けはしたが、もしかしたら間違っていたり、今後覆ったりの可能性大だ。
それくらいの距離感で読んでいただけると有難し。
マンボウ伝説の真偽に迫る。
この項では、インターネットミーム等で有名な情報に、裏付けが取れるかどうかを止めしてみたいと思う。
まず、『マンボウはジャンプすると死ぬ説』から行こう。
いきなりだが、こんな画像を見つけた。
https://www.facebook.com/thebdri
小型個体だが、飛んでるやんけ。ただし、この後着水したら死んでる可能性もあるので、これは根拠になり得ない。
ってことで動画を漁ると、わっかりにくいが、確かにジャンプしている動画があった。とりあえず、ジャンプ後に即死はしないようだ。
思っているより低いと感じるかもしれないが、そもそも1トンを超える体重と、その形状を考えれば、飛べるだけで凄い話である。
―ってことで、マンボウは飛んだら死ぬ説は、ほぼ確実にダウトだと見て良さげである。
次、3億個の卵を産むという話。これは僕が読んだ図鑑にも、ほぼ必ず書いてあったぞ!
―これについてはそもそも、出典となった論文がかんなり怪しいらしい。
このサイトをざっと読んだが、『結局色々わかってない』ことが分かっただけであった。今後を楽しみに待つとしやす。
―だが、マンボウの稚魚(赤ちゃん)は、極めて稀ながら発見されている。
https://australian.museum/learn/animals/fishes/ocean-sunfish-mola-mola/
通称はコンペイトウ。確かにと思うが、ここから大人のアレになるのは推測しづらいなぁ・・。
はい。後はミームに無かったけど、面白い情報をザっと。
マンボウの英名は『mola mola』と『Ocean sunfish』の二つがあるが、後者の由来は『たまに日向ぼっこをしているから』だという。
https://oceanuts.wordpress.com/tag/giant-ocean-sunfish/
理由は、深海に潜って冷めた身体を温めるとか、寄生虫を殺すためとかいろいろあるが、結局どれもあくまで一説なのだという。
ちなみにマンボウの主食は『クラゲ』。カロリーは低いけど、いっぱいいるから餌に困らないため・・と考察されていた。理由、可愛すぎるやん。
↑マンボウに取り付けたカメラで撮影されたヤツらしい。感動。
―ってことで、マンボウの伝説?についてはここまでにしとこう。
マンボウの味とは?
メジャーではないが、土地によっては食うのだという。細かい描写は以下のサイトにあったので引用。
表皮は厚くとても硬くて矢すりのようにざらざらしていますが、刺身で頂くマンボウは、白身で大変柔らかく淡泊な味わいです。
生身は魚とは思えないような質感で、見た目はイカのようですが、触ると鶏のささ身のような感触をしています。
そんな感触の身は生でも手で裂くことができ、千葉県の一部の地方では刺身用の身を手で裂いて、肝と合わせ辛子酢味噌和えで食べるのがマンボウの基本の食べ方としている地域もあります。
なるぺそ。―記述で分かると思うが、僕はそこまで興味をそそられなかった。千葉に何かで出かける際は、ご確認してみてはどうでしょう。
マンボウは釣れる?
極めて稀だが、釣れたケースは存在する。
ただし、その大半が『まぐれ』であり、イワシとかで作った練り餌や、ルアー、何ならエビなどにアタックがあったのだという。
30㎏の個体でも、ランディングまで1時間かかるそうなので、生半可な仕掛けでは戦えないことは請け合いだ。
『海のぬし釣り』でも絶対に釣りあげられないぬしとして設定されているので、現実もそこは同じっぽいですなー。
マンボウの先祖ってどんなヤツ?
最後に、たまたま発見した情報をご紹介。マンボウには、化石種もいるらしい。それは、『Austromola angerhoferi Gregorova』なる名前。読めん。
復元図はどうやら無いらしいが、素人目でも今のマンボウとほぼ形態が同じことが見て取れる。
大体今から3000万年前くらいの地層から出てきたそうなので、その頃にはもう『ザ・マンボウ』だったんですなぁ。
やっぱり、海と化石はロマンがすげぇぜ。
終わりに。
ということで、このシリーズの作品をまた書いてみたが・・・。知らない間に僕の常識が割と否定されてて、結構驚きであった。
やっぱ徹底してキュレーションせんと、色々と知らない間に置いてかれますな。僕のマンボウ知識の衰退は、多分もう始まっている。
皆様に何か、『そうなんや』と思えることが書けていれば嬉しい。では今日はこの辺で。