導入:思い出の発掘
今使っている携帯に突っ込んであるSDカードが、もうすぐ容量いっぱいだと気付いた。仕方ないので、外付けHDDに抽出して空きを作る。
―すると、下層の方に、大学4年の時に行った卒業旅行の写真が大量に残っているのに気が付いた。
目的地は、大学のサークル活動で訪れて以来すっかり魅せられてしまった【沖永良部島】である。
『そこまで来たら沖縄に行けよ』と言われそうだが、絶妙に人が多すぎず少なすぎず、でもちゃんと南国で、そこそこプライベートな感じで楽しめるのが大好きなのだ。
しかし、それまでは部活動の一環で行っていた場所なので、フリーダムに楽しめたかと言われれば、んなこたーない。
ってことで男2人を引き連れて、無謀にも『いこうぜ沖永良部島!!』と誘って計画立てたのが発端だったという話である。
―自分で言うのもなんだが、この活動、
ハチャメチャで無茶苦茶面白い経験だったのに、今まで一度も活字にしていないことに気が付いたのだ。
もったいねぇ。超もったいねぇ。
よし、決めた。思い出の断片は僕の昔のSNS等に残っているので、それをまとめてこの旅日記をなるべく詳細に再現してやろう。
ちょうど台風のせいでネタを拾いにも行けなかったからな。
ってことで何と6年前の沖永良部島旅行記、思い出せる限り全力で記事にしてみるぜ。
第一章:若さゆえの無謀な計画
ってことでまずは計画からご紹介。大前提として、僕らは全員金が無い。
そりゃそうだ。卒業間近のしがない大学生。金がある方がどうかしてるぜ。だから、削れる予算は限界まで削り、若さと根性でカバーすると決めた。
まず、飛行機や新幹線なんてVIPなものは使わないし使えない。だから基本は車で、島にはフェリーで移動した。
出発する場所から出航する港までのルートをナビにぶち込むと、とんでもない経路が出るのも想定の範囲内。
※僕が一人で運転しきりました。えっへん
んで、フェリーはこちらの最安値を予約。簡単に言えば超大部屋で雑魚寝システムである。
そして島に着いてからは、市役所に許可を取ってからキャンプを張ることに決定。3泊4日だったかな?どこまでも金を削る。削り倒す!
尚、島内の移動手段はレンタカー。島の人は手慣れたもので、長期間になる車のレンタルもサクサクっと手続きが終わった。
―さて、計画は順調だ。だが当時は無知ゆえに、これがどこまで大変で無謀か、良くも悪くも全然分かっていなかった。
しかし、僕らの心はどこまでも躍っていた。かっこよく言えば、南国のバカンスに思いを馳せて、心の底から熱狂していたのだ。
だからバイトのシフトもぎっちぎちに詰め込み、旅行代を全員が必死で捻出したのである。いやぁ~、キツかったなぁ・・・。
後はもう無茶苦茶だ。とりあえずやりたいことは全部やるってことで、釣り具も準備した。
具体的には、本州で既に仕掛けを大量に買い込み、また撒き餌も用意しておいたのだ。南国の巨大魚とか、ウキウキして仕方がない!!
―おかげで移動の度に肩が千切れそうになったが、それもまた一興。
さて。ではそろそろ、そんなハチャメチャな旅を、当時の写真と共に振り返っていくとしよう。
第二章:弾丸道中と鹿児島観光
出発してすぐ行うこと。それは何よりドーピングだ。
なぜなら、出発したのはAM3:00とかそんなだからだ。移動距離やフェリーの出航時間を逆算すると、このぐらいでなければ間に合わない。
途中途中の休憩もマストだし。ってことで、こういう目覚まし系アイテムは大量に買い込んで準備した!
―まず最初に休憩を取ったのは、下松SAだったと思う。
ここではあくまで小便とコーヒーでの眠気覚まし程度にとどめ、軽くストレッチをしたら、さっさと次に出発である。
次、飛んで北熊本SA。
ここで食った馬肉ハンバーガー、目の前で焼いてくれて超美味しかった!!
―という風に道中も少し満喫しているが、写真の少なさを見る限り、どうやら僕はほとんど休憩を入れていない。
今もギリギリ若者だが、当時はどんな頑丈な体と、結構な体力を持っていたのか、本当に我ながら信じられない気持ちがする。
そして大体7時間のドライブの果て、僕らは鹿児島に到着した。
その辺のコインパーキングに車を隠して、せっかくなので鹿児島観光をすることに。まずは気になっていたあのお店へGO。
天文館むじゃきである。コンビニでもたまに見る、白くまかき氷の本店とのこと。
ただし実際の見た目は結構違う。
これがねぇ・・・。超美味いんですよ。美味いって言葉じゃ表現しきれないくらい、美味いんですよ!
既にほのかに甘い氷。バクバク食っても痛くならない頭。そして実は圧巻のボリューム。全てに大満足でございました。
さて。実はこの時点で、出航までまだまだ4時間くらいある状態だったので、予定してなかった観光もプラスすることに。
それはココ。【いおワールドかごしま水族館】である。(桜島がボーンなっとんで)
ってことで時間いっぱいまで、ここをエンジョイするとしよう!僕らはそう決めて、チケットを握りしめて入場ゲートをくぐったのであった。
第三章:『ようこそかごんまへ』
入ってみれば、そこには迫力のある生き物が勢ぞろいであった。
また、僕が知る沖永良部島の海中にそっくりな水槽もあり、テンションはどこまでも上がっていった。
―しかし、時間の都合でここは30分で終了。急ぎフェリーを乗り継ぎ、鹿児島新港へ向かうのだった。
第四章:鹿児島、出航
大量の荷物を抱え、3人で必死に階段を上り、巨大なフェリーへと乗り込む。事前に予約していたため、手続きは流れるように完了。
甲板で沈みゆく夕日を眺めていると、轟音と共に船が港を離れていった。
遠ざかる桜島。噴煙すらも少し愛しい。
さて。
酒は買った。ツマミも買った。食堂がオープンしたという放送も聞こえる。
そうだ、始まるんだ。
―いよいよ、俺らの卒業旅行が始まるんだ・・・!!
そうして僕らは、
片道17時間の船旅へと
漕ぎだしたのであった。
―続く。