きっかけはMさんからの久しぶりのお誘いだった。曰く、山奥の、人知れぬ場所で、とある魚が釣れているのだという。
示されたその場所をGoogleマップに打ち込むと、ただの山奥が表示された。こんな場所に魚がいるのかどうかより、ここまで辿り着けるかの方が訝しかった。

―とはいえ、ここ最近はコロナ病欠もあってまたしても仕事に追われる日々であり、ここらで息抜きができるなら、この流れには乗るしかないと決断。
紆余曲折はあったものの、闇夜の山奥に潜む魚を求め、漆黒の山道目指し、釣行へ繰り出すのであった。
尚、とてもじゃないが安全性を担保できる場所とは言い難かったので、場所は伏しておこうと思う。では以下、本題だ。
憑かれても驚かない。

事前にストリートビューなどを使い、ポイントに近づくにつれどういう景色が見えてくるのか、なるべく調査をしておいた。夜の山道を走るなら、事前準備こそが要だ。
山口宇部道路を走り、令和の今でも昭和の雰囲気を漂わせるラブホテルの側を通り抜け、途中のセブンイレブンで軽食を摂り、再び車を走らせる。
その地点に近づけば近づくほど道幅は狭くなり、街灯が消えてゆき、車の数も2km走って1台とすれ違うかどうか、という過疎になった。時刻はまだ20:30とかなのに、だ。
さて。待ち合わせ場所に指定された場所まであと5km弱となったあたりで、ついに離合できないほど狭く、補修も何年もされていないような山道に差し掛かった。
目印となるのは、右手に見える神社とのことだったが、完全なる闇の中にこんな社がライトに照らされて明るみに出ると、雰囲気の荘厳さに思わず息を呑んでしまった。

不思議とこの時脳内では、「洒落にならないほど怖い話に出てきそうな雰囲気だな・・中に入ったら大昔に封印された物の怪でもいるのかな」と呑気なことを考えていたけど。
さて。この後も道路に沿って車を走らせ続け、目の前を角の生えたシカが数頭駆け抜けたり、ヤマノケが出てきそうなほど鬱蒼とした地点に出たり、道中感情が忙しかった。

それでも事前にストリートビューで確認していた廃墟や人家が見えてきてくれたおかげで、どうにか心を折られずに前進を続けられた。
そしてこの山道に突っ込んで10分程度、ついに駐車された車を発見。そこから歩いていくと古いが頑丈な橋が見えて、そこでMさんと合流することに成功した。
いくつかのヘッドライトの明かりこそ見えるが、人の表情は視認できないほどの闇であった。水面など言わずもがな、だ。
鬱蒼とした森の先に、忘れられたように聳える橋。その上からお借りした釣竿で仕掛けを垂らし、最初のアタリを待った。こんな場所にいる魚とは何なのか?
―そして最初のアタリは、大体到着してから10分後くらいに出るのであった。
湖に潜む国内外来種(でもある)。

竿先が微細に震えた。ただMさん曰く、これは「遅い」という。すでに本命は餌を”吐き出している”とのこと。繊細なアタリを素早く察知する集中力が問われる釣りだ。
だから指先に神経を集中させ、竿はあえて不安定に構えた。そうすることで、わずかな反応でも、竿自体が反応して知覚できるためだ。
そしてアタリが数回続いたところで、ついにアワセに成功した。ペンタブラックのように黒い水面から、煌めく何かが昇ってくる―
てことでネタバラシ。そう、ワカサギである。夜釣りで狙うのは人生初だったが、灯りで寄せて、それを丁寧に釣り上げていく感じなのだという。

周りを見ても、一回のシャクリで4匹釣り上げている人もいるなど、活性はもちろん、生息数自体もかなり多いことが伺えた。
10分程度完全に灯りのない山を進むだけに、この光景はある意味異質だが、釣れるのだから問題はない。
Mさんと近況を語らいつつ、釣り糸を垂らし、時折仕掛けを回収してはワカサギを容器に移していく。そのうち自分が山奥にいることさえ忘れてしまった。
―だがこの日は折しも天候が悪く、僕も翌日に早出の仕事を控えていたのもあり、22:00頃には後ろ髪引かれる思いではあったが納竿とし、その場を後にした。
尚、帰り道に豆柴くらいのイノシシ2匹が車の前を横切って行ったので、ここの自然の濃さたるや、である。
これぞ醍醐味ってやつさ。

てことで持って帰ってきたワカサギを調理しよう。といってもこの魚は冷水への耐性がとてつもなく強く、どれだけ氷を入れて冷やしても、元気に泳いでいた。
このまま酸欠で死ぬまで放置するのも心が痛いため、最終的にはタッパーに移した状態で、氷水ごと冷凍庫に30分入れることで締めた。
てことで数を確認するのも兼ねて、まな板の上に並べてみる。キュウリウオ科特有の、ちょっと癖のある生臭さがキッチンに充満する。

前回はみほり峠の唐揚げ粉で揚げたが、同じことをしても仕方ない。ということでMさんから教えてもらった「コツの要らない天ぷら粉」を使って揚げてみる。

と同時に、炭酸水で天ぷら粉を混ぜるとカラっと揚がる、という話も聞いたので、そういえば以下の動画でも言ってたなと思い、それも試すことにもした。
下処理などについては以下のサイトを参考に、塩でもみ洗いしたのち、下あごを引っ張って内臓を取る、ということだけやった。さすがに干す作業は割愛。
ということで分量通り天ぷら粉と炭酸水を調合してみる。えらいシャビシャビになったが、結論から言えばこれですごくウマイ天ぷらを作れている。

ついでに天ぷらのネタで一番好きな青シソも揚げる。高校の頃は病的にそれにハマり、家で栽培して毎日と言っていい頻度で揚げてもらっていた時期さえあるくらいだ。


そしてワカサギも一気にポーンと。

・・これでしばらく揚げてみたが、素人目線から見ても、揚がり方が全く違うというか、「え?俺、プロになった?」と思うくらい、旨そうなのだ。

拡大するとこんな感じ。衣のサクサク具合もこれまで作ってきたものと比べて、桁外れに良い。粉のおかげか炭酸水の恩恵かはちょっとわからないが、見た目は最高だ。

これをミルで挽いた岩塩と、味変としてめんつゆ+生姜を用意し、ご賞味させていただく。

―味ももちろん、最高だった✨
自分がこんなに美味い天ぷらを作れるなんて信じられない!料理の腕がめちゃ上がったかのような錯覚。
マジでこの粉、オススメです。炭酸水と合わせて、ぜひどうぞ。
おまけ:マジでお前誰?

―ところでこの釣行で、僕はワカサギではない謎の魚を釣っていた。それはこれだ。(Mさんもまるでわからない魚らしい。あと全部同一個体である)



口が下に突き出るタイプ。それくらいしかヒントが無い。コイツはマジで何なんだ?一見ウグイに見えたが、身体的特徴が異なりすぎている。
WEB魚図鑑をしばらく凝視して探してみたが、まるで見当がつかない。有識者の方は、わかりにくい画像で恐縮だが、ヒントを教えてほしく思う。
―だが、こんなの人生で釣ったのは初に決まっている。このタイミングでまさかの魚種追加!!
てことで10年経っても未だ辿り着かないことにちょっと驚きだが、102種類の魚を釣るまで、これで残り17種類になった。段々ニッチな魚が増えてきたなぁ・・
※2月18日追記
コメントにて「ニゴイでは?」という情報を頂いた。当初は口の形が違う気がすると思っていたが、改めて稚魚などを調べてみると、特徴が結構一致している。
そしてWEB魚図鑑に投稿された個体を見比べると、結構地域個体差があることもわかった。尚、これが「ニゴイ」だとしても、釣るのは人生初なのでそこは変わらない。
提供ありがとうございます!!!!
前も「ウロハゼ」というマイナーな魚をたまたま釣ったことで魚種を増やしたし。まぁ、釣りなんてのは一期一会、偶然を愛でてナンボですな。
pochihiko-inunosuke.hatenablog.com
ということで今日はこの辺で。
よろしければお恵みお願いしますm(_ _)m。(私腹を肥やすのではなく、活動資金に充てます)
質問募集用のフォーム、オープン中!!↓
時たまゆるく答えますんで、ご気軽にどうぞっ。
週1~2回更新は死守!ぜひ読者ボタンをぽちっとお願いします!
(めちゃくそ励みになります)
※日頃の釣行やブログネタ探しを中心に、Instagramも(たまに)更新中!
https://www.instagram.com/nakatoshi0809/

※無謀ながらYouTubeもやっとります