誠に嬉しいことだが、僕はよく「釣りに連れてってよ!」と言われる。
が、意外かどうかはわからないが、経験者が自分の力を過信したり、いつものノリをそのまま持ってったりすると、エスコートとしては失敗に終わることが多い。
僕も何度か、何とかなるやろって感じで適当なことをして、満足度の低い釣行にしてしまったことがある。
しかし最近は結構、好意的な評判が返ってくることが多くなってきた。試行錯誤も結構したからだろうか。
ということで今日は、その僕なりの釣りエスコートの注意点なんかを、備忘録代わりに5つご紹介。
場所選び。
個人的に最強な場所は、バーベキュー広場が隣接した釣堀である。
釣った魚をすぐに焼いて食べるなんて、ある種贅沢の極みである。今の時期は少し厳しいが、もう2ヶ月もすれば気温としては問題なくなると思う。
それに、釣り経験初めての人に大事なのは、まず何より魚を釣る経験である、と僕は勝手に考えている。
だからこそ、まず間違いなく釣れる釣堀で、かつ釣りをした後も楽しめるように、バーベキュー広場が隣接したそれを僕は推奨したい。
しかし、当人が「釣堀は嫌」と言ってきたらどうするか。
僕は春なら防波堤から青魚、夏なら砂浜からシロギス、秋ならこれまた防波堤から青魚で、冬になったら春まで待ってと言うことが多い。
とりあえず、釣りやすくたくさん釣れる種類を狙っていくのだ。群れにズバンと当たると、超大漁も狙えてとても楽しい。
だが、海も嫌と言われちゃったらどうするか。
こうなったら春は管理釣り場でニジマス、夏はその辺の小川でハヤ、フナ、秋は一発大物コイ狙い、冬は寒いからやめとこうと言うことがやっぱり多い。
ちなみに冬がダメな理由は、まぁ驚くほど魚が釣れなくなるからだ。満足度はおそらく超低い釣りになる。
・・・この辺はあくまでも参考に、近隣の海の状況なんかで適宜変えてほしいが、鉄則は、「釣りやすくたくさん」である。
余談だが、なるべくミミズとか虫餌を使わない魚だと、より好感度が上がる。理由は言わずもがな。
尚、船や磯は、安全性の問題、費用、そしてこっちの初期投資がエグいので、オススメはしない。
島に行くくらいなら良いと思うけど。
さて、意外と大事なのが、トイレの有無である。
野郎が同行者なら「その辺でしてこい」で済むが、なんかの弾みで同行者が女子であった場合は、そこも気を回さないといけない。
なので、下見に行くくらいの準備を僕は推奨したい。県外遠征とかじゃない限りね。
道具について。
道具は基本全部コッチで用意する。釣り具も貸せるなら貸してしまう。
ケチって3000円くらいのセットを買わせると、意外とライントラブルや破損といった不測の事態が起きる為だ。
ということで僕は元々、自分で使うセット(総額20000円くらい)の他に、総額8000円くらいの人に貸す用セットも2つほど持っている。
当然フリームスとかステラみたいな高級なのは要らないから、4000円くらいのリールがあれば最高だと思う。
竿は6000円くらいのが値下がりした、3000円くらいの新古品がオススメ。
もっとも、了承を得たのなら安いセットを買ってもらうか、チープなのを自分が貸すかで対応してもいい。
身銭の切りすぎは破滅を招く。人に貸すための釣り具を揃える為に、30000円を学生時代に使ってしまった僕みたいに。
そしてラインは当然ナイロンが良い。初心者にPEは扱いが難しいため危険すぎるし、リーダーが切れたら超めんどくさい。
いきなりPEじゃなきゃダメな獲物を狙うのは、それはそれで問題である。
ウキや針と言った細々したものは、出来るだけ最初から全部セットになったものを選ぶと楽。
ハヤブサやがまかつを筆頭に、大体全部のメーカーが確かそういうシリーズを色々出している。
さて、最後に餌。
撒き餌は大量に買うのが僕のパターンである。
とりあえず群れが来れば同行者のテンションは上がるので、寄せれば勝ちなのである。
値段を気にするのであれば、とりあえずジアミのブロックと、スーパー1っていうウニのイラストが目印の撒き餌がオススメである。
投げ釣りか何かでイソメ類を使う場合は、同行者がやりたがった場合以外は、コッチで付けてあげよう。意外と抵抗がある人は多いし、抵抗の仕方も強い。
コッチがイソメ嫌いであるなら、なんかもうって感じではあるが、そういうちっさいイソメ掴むためのグッズもあるし、バイオワームっていう手もある。
ライフジャケットはあるなら貸してあげよう。意外と危険なことをする人も多い。
釣り場に着いてから。
まずは、とりあえず適当でもいいからポジティブなことを言おう。
「このキワに何かが群れとるね」
「潮が良い感じに動いてる」
「今日は風向きが良いな」
という具合に。何かよくわからんけど、ウキウキするって心境にできれば勝ちである。
釣れない時間が続いても、
「潮の満ち引き的に、今は辛抱のときだけど、あと1時間もすれば良くなるよ」
「(夜なら)今日は満月か。良いね。」
という感じで、とにかくよくわからんけど釣れるんだろうなっていうことを言い続ける。
で。釣りが始まったら、先ずはやり方を説明しないといけない。
僕の経験上、必要な情報は以下の3つ。
-
キャストをするときに、リールのベール(半円状の針金みたいなあれ)を上げる。
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仕掛け回収時に、糸を巻きすぎると、最悪竿が折れるし投げづらい。
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投げ方として一番楽なのはオーバースローだが、サビキ仕掛けなどの場合はアンダースローが楽。
とりあえず①と②の説明は、不要な気がするので割愛。
③の投げ方は意外と大事で、適当にやればいいよというと、真横に飛んでくることもあり非常に危ない。
全力で竿を振るのではなく、ポンッという感じで仕掛けを振り子みたいに軽く投入するのが良い。
記事に貼りつけたら恐ろしい重さになってしまったので省くが、実はキャスティングの仕方の動画は山ほどある。我流に自信がなければ、参考までに観ておこう。
もちろん、説明の後は、最初に自分でデモンストレーションを見せるべし。ここでカッコよくキャスティングできると、自分の株が上がるのでチャンスである。
撒き餌がある場合は、率先して同行者の仕掛けに向かって投げてあげるべし。あまり撒き過ぎると気も魚も散るので、ほどほどにすべし。
言うのが遅くなったが、僕の鉄板の仕掛けは、サビキ釣りと投げ釣りである。
群れが来なければサビキは全滅するが、投げ釣りは影響がほとんどない。魚を釣って見せる、釣らせてあげるのが一義なので、僕は絶対にこの2種類は外さない。
タイワンハゼとかウミケムシとか、正直訳わからないのが釣れても、意外と喜んでくれるものである。
魚がヒットしたら。
同行者にヒットした場合は、自分の仕掛けを一旦上げて、タモアミか何かを持って側に立ち、助言に徹するのが良い。
走るタイプの魚や、結構な大物だったら、自分のと絡んで万事休すってことになるからである。
小物だったら別に仕掛けを上げずに見ててもよさそうだが、どのみち「魚を針から外してくれ!」と言われることが大半なので、回収することにはなる(投げ釣り以外)。
コツは竿を立てて仕掛けを巻くことだが、意外と最初は竿を下げたままリールを巻いてしまう人も多い。
仕掛けが魚と一直線になればラインブレイクの可能性は高まるし、下げたままだと根にも潜られやすい。この細かい所作も意外と大事である。
もし自分の竿に先にヒットしたら、僕なら代わってあげる。
「きたで。巻いてみ。」
という感じで渡してあげる。
プライドが許さない人もいるかもしれないが、これの評判は上々である。
さて、意外と気を付けないのがいけないのが、危険な魚の扱いである。
ハオコゼやアカエイに刺されたとか、フグに噛まれたとか、カサゴのエラブタで切ったとかいうケガに繋がると、テンションも満足度も直下降である。
とりえあず釣れた魚は一旦触らせないくらいで良いかもしれない。
釣行後。
釣りから帰っても時間があるなら、僕は調理してその日の内に食べるようにしている。酒があれば尚良しだが、ここは人によりけりである。
釣り道具を洗う姿は、僕は基本見せない(あまりに大量に洗いものが出た場合は別)。
なんか申し訳ないなって思われたくないからである。考えすぎかもしれないけど。
もし帰ってから時間が無い場合は、内臓と鱗を取った上で、同行者に魚をあげるようにしている。
意外と丸ごと渡すのは不親切と取られるからである。これは僕がそういう仕事をしてたからってのもあるけど。
ちなみに川魚は刺身にしたらダメ、ゼッタイ。
細かい理由は省くが、淡水魚には非常に危険な寄生虫が結構潜んでいるからである。下手すれば脳がやられるくらい、ヤバイ。
終わりに。
ここまで気を配るのは正直疲れるかもしれないが、喜んでくれるならいっかということで、僕は頑張ってしまう。
ここで釣りの面白さにハマってくれれば、それから先、磯とか離島とか、船とか渓流とかに連れていける仲間が増えて、とても大きい見返りとなる。
この辺までしたたかな考えは実のところないが、エスコートを頑張って損することはとりあえずないと思う。
取り急ぎ書いたので抜け漏れがあるかもしれないが、その場合は一報頂けると有難し。
さて、実はもうすでに、春を期日とした4件の釣り呼んでよ依頼が来ている。そろそろ準備に取り掛かろうかな。
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