俺のぬし釣り

山口と広島をメインに、102種類の魚を釣るべく我流釣りをエンジョイしまくるブログ。(たまにキャンプにもいく)

【もはや】高騰しているからこそ改めて学ぼう。『サンマ』とはどんな魚なのか、を。【高級魚】

先日、YouTubeのホーム画面に、ちょっと驚くニュースが入ってきた。それは、サンマの値段が高騰しているというものだ。

www.nippon.com

 

もはや高級魚の中でも高い方の価格帯になってしまった魚だが、ここでふと思う。「秋に食うとウマイ青魚」以上の情報を、そういえば知らないな、と。

 

ということで今日は、秋の味覚以上のステータスを実は知らないサンマについて、僕自身が疑問に思ったことを掘り下げる形で、つらつらと書いていこうと思う。

 

 

【サンマ】とは、どんな魚なのか?

サンマ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑


そもそもサンマの分類はなんなのか。特徴的なフォルムなので、近縁の魚がなかなか頭に浮かびづらい。

 

調べてみると、正確な分類は【ダツ目サンマ科】であり、あのちょっとおっかないダツの仲間、という風になる。(同じダツ目にはサヨリもいる。確かに似ている)

ダツ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑


いわゆる日本近海(太平洋側)で漁獲されるサンマは、「Cololabis saira」という学名で、北太平洋を回遊するタイプらしい。(種類によってルートが違うようだ)

 

面白い話だが、その数に変動こそあれど、年中ホンダワラなどの流れ藻に産卵しているそうで、餌はオキアミ等のプランクトン食だという。しかも胃は無い。奇天烈だ。

 

そして一番意外だった発見は、サンマ漁は主に夜間に行われるというものである。集魚灯に寄ってくる性質が強いそうで、それを利用した漁獲法が採られている。

さんま漁業|全国さんま棒受網漁業協同組合

 

そのサンマは、一体どこで漁獲され、僕らの食卓に流通するのか。これは想像通りだったのだが、No.1は北海道であり、平成29年度のシェアの46.7%を占めている。

region-case.com

 

2位の宮城というのがイメージに無くてちょっと意外だったが、何となく寒いところからやってくる魚という雰囲気を考えると、別に違和感はないよな、とも思う。

 

そんなサンマの漁場は、主に北海道~宮城から見ると、太平洋側に向かってしばらく進んだエリアとなる。図で見るなら、以下の通り。

クローズアップ:サンマ激減、遠い漁場 燃料代2倍で赤字覚悟 漁獲量10年前の3分の1 | 毎日新聞

 

ただ、本当かどうかは眉唾だが、地球温暖化により回遊ルートが変化しているらしく、そのせいで不漁が続き、需要に対し供給が追い付かず、高騰しているようなのだ。

 

この辺の話は、結構反れるので別の項にまとめることにしよう。

 

さて。生態とかその辺の情報はある程度満足したので、ここからまたテーマを変えて、更にサンマを深掘りしたいと思う。

 

日本人とサンマの歴史。

熊野灘の旨い魚 - 干物通販 熊野の美味しい干物ギフトお取り寄せ【畑辰商店】

 

サンマはいつから日本人にとって馴染みある魚となったのか。調べてみると、その歴史は僕から見れば思ったより浅く、ざっくり300年前になるらしい。

 

今と違ってメインで漁獲されていた場所は和歌山県三重県沖、熊野灘だという。これは今とは地球規模で環境が異なっていたことが遠因とのこと。

 

そこで漁獲されたサンマは江戸に流通し、庶民に広まり、その旨さが評判となった結果、いわゆる「家庭の味」というイメージを獲得していくこととなる。

 

その後の詳しい歴史を書くと膨大な量になるので割愛するが、北海道がシェアNO.1になるのは戦後すぐで、そのときには既に、棒受網漁という現在の方法が採用されていた。

habomai-sanma.jp

 

僕らが抱えるサンマ≒安い≒庶民の味≒ウマイ≒秋の味覚、といった要素全ては、ざっくり1947年ごろからそうなのだと思うと、不思議と感慨深い。

 

もっと長い歴史があるかと考えていたが、そもそも沖合を回遊する魚であるため、近代になるまで接点が無いのもまぁしょうがないか、とも思う。

 

統計でみるサンマ。

さんま部会の歴史 | 歯舞さんま部会

 

さて。サンマの値段が高騰しているということは、ある仮説にパッと行き着く。それは、サンマそのものの漁獲量が激減しているのでは、というものだ。

 

記憶の話で恐縮だが、ざっくり9年前は、時期によってはサンマが1匹100円を切ることもあった。それを踏まえれば、今の価格は目玉が飛び出そうである。

 

そして実際にデータを見て驚いた。ここ数年は驚くほどの不漁であり、全盛期から比べると、見る影もないほどなのだ。

さんまの水揚量(年)|全国さんま棒受網漁業協同組合


しかし、価格が高騰するとか、漁獲量が減ることには、単に個体数が減ること以外にも心当たりがある。そのデータも調べてみることにする。

 

まず、サンマ漁に従事する人の数はどうなっているのか?調べてみると、想像通りなデータを発見した。

2018年漁業センサス結果(北海道)《確定値》-海面漁業調査漁業経営体調査- - 総合政策部計画局統計課

 

これは2018年の調査という古いデータなので推量となるが、この傾向が続いているなら、そもそも今現在の従事者も減っているだろう

 

そういう意味では、漁獲量が減っている一因とも、言えなくもない。ただあんなにも劇的に減っているとなれば、他に原因がありそうだ。

 

例えば、コストプッシュインフレはどうか。これは一例を挙げれば、そもそも燃料費が上がったため、卸値を上げないと元が取れないがための値上げである。

 

最近はウクライナとロシアが戦争状態であり、その影響も懸念される。実際グラフを見れば、燃料費は増加の一途なのだ。

燃料高騰が日本漁業直撃!もったいない獲り方変えよう Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)

 

ということで、漁業従事者の減少+燃料代高騰というダブルパンチがあって、サンマの値段が上がっているというのであれば、少しなら説明がつく

 

だが一番気になるのは、サンマの個体数は地球規模で減っているのか、というものだ。さっき紹介した画像(政府の主張のヤツ)によれば、以下の仮説が立つ。

 

サンマの回遊ルートが変わった。

結果、それらは台湾や中国が主な漁場とする方に流れた。

では台湾や中国の漁獲量が増えていれば、サンマの個体数は変わらないと言える?

あるいは台湾や中国の漁獲量に変化が無ければ、そもそもの数が減っている?

 

―ということで、台湾と中国の漁獲量を調べれば、また違った情報が立ち上ってきそうだと思える。

 

すると、こんな面白いグラフを発見。台湾と中国のサンマ漁獲量は、きちんと”伸びて”いる

http://tnfri.fra.affrc.go.jp/press/r3/20210730/20210730sanmayohou.pdf

 

もちろん世界全体で凹んでいる年もあるが、サンマの総数自体が激減したわけじゃないのかもしれない、と言えそうではある。

 

尚、台湾や中国でめちゃ獲れるのなら、いっそ輸入で仕入れるのはどうなのだろう。獲れるのは同じ種類のサンマなのだ。僕は別に抵抗が無い。

 

そして同じことはとっくに考えられているようで、日本のサンマ不漁に比例するかのように、国外からの輸入量は増大傾向にある。

 

内訳の1位は台湾であり、中国や韓国をぶっちぎっている。(中国からの輸入が少ないのは、多分自国内消費が多いからというのは小学校でも扱うハナシ)

冷凍さんまの輸入|全国さんま棒受網漁業協同組合

 

さて。すごくどんぶり勘定だが、輸入サンマはどれくらいの価格に落ち着くのだろう。台湾から輸入したサンマは、10㎏あたり3,920円なのだという。

 

サンマの平均体重は120~140gとのことで、めんどくさいから130gに統一する。となれば、乱暴に言うと10㎏のカタマリにはサンマが76匹くらい含まれる、となる。

 

10kgという総量をその値で割れば、一匹当たり3920/76=51円という額になる。しかしこれは原価であり、そのまま売ったらお店に利益が一切落ちない。

 

流石にサンマの価格に対する原価率のデータはなかったので、一般的なドンブリ勘定になるのだが、それでも原価率は50%程度、つまり販売価格は102円くらいらしい。

 

感情論抜きにすれば、多分国産のサンマを高値で買うより、輸入品を買った方がトクな気がしてきた。今度もし見つけたら、価格をきちんと見てみることにしようっと。

 

で。実際に最近、スーパーで塩漬けのサンマを見かけた。お値段驚きの420円。これは流石に、手が出ない。どうしちまったんだ、サンマさんよ。

 

終わりに。

 

ということで最後の方はもはや社会の授業みたいになったのだが、調べれば調べる程謎が浮かんできて、僕としては心躍る時間であった。(実際、80分ぶっ通しで書いてた)

 

統計なんてのは門外漢もエエとこなので、ダサいミスがあったら遠慮なく教えていただけると嬉しい。全力で感謝しながら修正しますゆえ。

 

ってことで今日はこの辺で。

 

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