『魚』。
いつから僕は、なぜそれの虜になったか。正確なところは思い出せないし、わからない。
ただ一つ思い出せるのは、物心ついた頃には既に、目を輝かせながら『魚図鑑』を読んでいたということだ。
確か小学館の出していた古いそれで、全てが美麗なイラストで書かれていた。祖父が買い与えてくれた・・んだったか、記憶が薄い。
そして僕はそれを何度も、何度も、何度も読んだ。純粋に楽しく、心が躍ったためだ。
身近な魚の姿。各部位の名前。奇天烈な深海魚。何なら、各漁法や養殖法の名前。余すことなく、それこそ索引まで読み込んだ。
結果、僕はその図鑑が破れるまで読んでしまい、セロハンテープ補強もむなしくその図鑑は現存しない。(今でも猛烈に読みたい)
―僕が魚にハマったのは、ここがルーツだ。だが、僕の興味は、自分の成長に伴い、どんどんと膨張していくのであった。
こどものぼくとさかな。
小学生の低学年の頃、僕は『海のぬし釣り』というスーファミのソフトに熱狂した。
実際に行くのは無理でも、ゲームの世界ならどこへだっていけるし、なんだって釣れる。僕は空き時間のほとんどをこれに捧げた。
そして、そのゲームを通じて知った『クロカジキ』という魚は、以来僕の生涯の目標となっている。(このブログのアイコンでもある)
https://oceana.org/marine-life/ocean-fishes/blue-marlin
いつかオーストラリアの海で、クロカジキとファイトする。この夢は、本気で言うが、叶ったらいつ死んでも悔いはない。
さて。
NINTENDO64が登場してからは、僕は『ぬし釣り64』にハマった。だからこそ、このブログの趣旨は、そのゲームと同じなのである。
その後も、魚が出るゲームには本気でハマり続けた。
例えば、水族館経営シミュレーションゲームの『テーマアクアリウム』。世界のあらゆる魚が登場し、本気で心が躍った。
また、本格的な釣りゲームの『フィッシュアイズ2』も、超名作だと思う。
―もちろん、ハマったのは、ゲームの世界の釣りだけではない。現実のそれにも、ちゃんとハマった。
父親に初めて連れて行ってもらった、堤防の釣り。今でも覚えているが、その時はボウズで、僕は涙が出るほど悔しかった。
だからこそ釣りについて学び、休みの度に連れて行ってもらい、その熱を深めていったものだ。
本当に、僕の幼少期からずっと、変わらず熱狂出来ている数少ないものである。
おとなになったぼくとさかな。
その熱は、アラサーになった今でも変わらない。表現方法は多少変わったが、その深さは同じ、いや、多分もっと深くなっている。
成人してから船釣りを覚え、ハマチやタイを釣るようになった。
料理の腕も磨き、様々な調理法も覚えた。
そして熱が留まることを知らなくなった今。僕はこのブログを開設するにいたり、気づけば200記事目に到達するほどになったのだ。
さて。
ここまで積み重ねてきたもの。それはあまりにも長い時間と熱狂の賜物なので、その原点はもはや見えないくらいに遠い。
『僕がここまで魅力的だと感じるこの世界。一体、最初の最初は何がきっかけでハマったんだ?』
・・しばらく子どもの頃の自分の写真を見ながら考えてみたが、当の昔に頭から消え去っているらしく、全然思い出せない。
うぅむ。ならば、仕方ない。
仕方ない。
今一度、心の底からヤツらの世界に、自分を徹底して置いてみよう。
"何か"を決意した僕は、溜まっていた仕事を鬼の勢いで片付け、それの準備を爆速で整えるのであった。
つづく。