今日は久しぶりの長編読み物を書いちゃうぞ。
テーマは結構迷ったけど、ふと閃いた【ホホジロザメ】にしたいと思いやす。
単純に見た目の怖さとインパクトが凄まじいし、何より【ジョーズ】っていうあの映画の題材になったと言われているし。
しかし、個体数は減少の一途であったり、そもそも外洋を泳ぎ回るサメだったりして、意外と詳細なプロフィールが謎なのも特徴である。
ってことで今日もまた、なるだけたくさんのソースに当たりながら、おぼろげな【ホホジロザメ】の生態について、情報をまとめたいと思いマス。
- ホホジロザメ基本情報。
- ホホジロザメは絶滅危惧種?
- ホホジロザメの獰猛性はいかほどのものか?
- 『ジョーズ』のモデルってホホジロザメじゃないかも説。
- スポーツフィッシングのくだりがあったけど、釣れるってこと?
- 飼育記録ってあるんかしら。
- 終わりに。
ホホジロザメ基本情報。
Carcharodon carcharias – Discover Fishes
まずはそもそもの基本情報にさえ僕は疎いので、そこから始めるとしましょう。
【ホホジロザメ】の方が標準和名らしいが、読み方に忠実に書くなら【ホオジロザメ】であり、この辺は結構どうでも良いのだという。
分類を一応書くと、ネズミザメ目ネズミザメ科ホホジロザメ属という。全然わからない。ちなみにホホジロザメ属はこの1種のみ。
巨大なイメージのある体長は、大体4~5mほどであり、体重は600~1100㎏である。実はウバザメ↓の方が大きい。
全長8メートルのサメをスペイン沖で目撃 世界で2番目に大きな「ウバザメ」か | エトセトラ・ジャパン<ETCETERA JAPAN>
記録上の最大個体については眉唾なものの、6mとか7mなんて記録もあり、かつ押しなべてメスの方がデカい。
また、生息域は非常に広く取られており、適応できるエリアの広さ的には大成功しているサメなのだ。(ここ全てにたっぷり住んでいるわけではないので注意)
Great White Shark Habitat Map by SEEtheWILD Wildlife Conservation
あと、寿命は40~50年と言われ、特にオスはたまに70年生きるという。オンデンザメもそうだけど、サメって長寿が多いイメージである。
食性も非常に貪欲であり、英語のページにあった【エサリスト】は正直ちょっと笑ってしまった。
tunas, rays, other sharks, dolphins, porpoises, whales, seals, turtles, otters and birds.
訳)マグロ、エイ、他のサメ、イルカ、ネズミイルカ(微妙)、クジラ、アザラシ、カワウソ(ラッコか?)、そして鳥
・・・ザ・肉食である。他にも、ヒエラルキーが存在する(雌>雄、大>小、古参>新参)とか、卵胎生とか、面白い話はあったけどキリがないので割愛。
こっからは、基本情報を調べていく中で気になったテーマについて、さらに深めて行ってみようと思う。
ホホジロザメは絶滅危惧種?
The exciting prospect of a great white shark in UK waters
調べていくとよく目につくのは、『ホホジロザメは個体数が減少している』というフレーズだ。そしてこれは、間違っていない。
現在ホホジロザメは『危急種』として認定されており、定義としては『今すぐ絶滅するわけではないが、その危険度は増している』というものだ。
ホホジロザメは生態系の頂点であり、天敵と言える天敵は、シャチくらいしかいない。では、一体なぜ、その数が減っているのだろうか?
この理由は、以下のサイトに非常に詳しい。(英語だけど)
そしてその部分を、乱暴に意訳してみると、こうなる。
Great white sharks are decreasing in numbers and are rare due to years of being hunted by man for fins and teeth, and often as a trophy for sport fishing. The white shark is often caught as bycatch by commercial fisheries and can also become entangled in meshes that protect beaches.
ホホジロザメはヒレや歯を狙った漁獲や、時にはスポーツフィッシングの勲章として、人間に何年もの間、殺され続けている。
それが原因で個体数は減り続けており、もはや姿を見るのは”珍しい”と形容してもいい。
商業漁業においてもしばしば混獲され、また浜辺を保護するためのネットによって、それに絡まり死亡してしまうという可能性も、多いにあり得る状態である。
まぁ、知ってたことですが、つまり『人間のせい』なんですな。てか、ホホジロザメって釣れるのかよ。ちょっと勇気が出ないですな。
・・・ちなみに近年はホホジロザメにタグをつけ、その回遊ルートを衛星で追跡するなんて調査もやっているらしい。
それである程度の生息地把握ができれば、そこを禁漁エリアにしたり、安全面に配慮したうえでウォッチングツアーを企画したり、色々建設的なことが狙えるのだ。
むやみやたらに『禁漁!』といって漁師に負担を押し付けまくるより、こういう施策の方が僕は賛成だなぁと、そんなことを考えさせられた。
ホホジロザメの獰猛性はいかほどのものか?
ホホジロザメは人食いのイメージが非常に強いが、他のサメと比べてどうなのか、そしてそもそも実情はどうなのか、ちょっと調べてみた。
すると、『シャーク・アタック(サメによる人間の襲撃)』の件数をまとめた、稀有なデータベースを発見。
このサイトの但し書きでも載っているのだが、『ぶっちゃけ襲ったサメの種類の特定とか超むずいから、信憑性は保証しかねるけどね!』というのを承知で読んで欲しい。
2021年1月11日16:21の閲覧時点で、ホホジロザメの襲撃数は以下の通りであった。
死亡・・290
~重傷・・52
・・・パッと見多く見えるが、シャークアタックはそもそも飛行機事故で死ぬ確率よりずっと低いため、累計で考えれば数字のイメージが変わる。
それを踏まえても、襲われたらほぼ致命傷という怖さはありますわなぁ。
ちなみに襲撃数2位はイタチザメであり、
Galeocerdo cuvier – Discover Fishes
3位はオオメジロザメである。
Carcharhinus leucas – Discover Fishes
特に襲撃数が多いのはこの3種類であり、他はよほど挑発したとか危害を加えたとかじゃない限り、襲われることはないのだとか。
ちなみにホホジロザメの生息数が特に多いエリアは既にマッピング済みなので、以下の場所へサーフィンなり遊泳なりに行くときは少し気を付けましょう。
『ジョーズ』のモデルってホホジロザメじゃないかも説。
個人的に一番気になったのはこの逸話だ。『ジョーズ』という有名な映画があるのだが、そのモデルになった事件は↓なのだという。
※かなり描写がグロいので詳細は伏せときます。読むときは自己責任で。
この一連の事件で、4人がサメに襲撃され亡くなり、最終的には2.5mのホホジロザメが捕獲されたこと、そしてその胃袋から人骨が出てきたことが決め手で終息となった。
―しかし、その内三人はマタワン川という汽水域での襲撃であり、ホホジロザメは淡水には来ないことから、この2つの事件の犯人は別という話もある。
容疑魚としてリストアップされているのは、『オオメジロザメ』だ。こちらは汽水域にも現れる上、人も襲撃する。
―とはいえ、だからといって『ジョーズ』のアイデアにホホジロザメがゼロというのも暴論だろう。
正確には、『サメ襲撃事件がモデルだけど、もしかしたらホホジロザメ以外も関わっていたかもね』という話である。
何と言うか、タイトル詐欺に引っ掛かった気分だが・・裏話としては素直に面白い。そういうことにしておきます。
スポーツフィッシングのくだりがあったけど、釣れるってこと?
先述したが、ホホジロザメの個体数原因の一因に、『スポーツフィッシング』で釣られてしまったからというのがあった。
つまりそれは、釣れるってことだろうか?気になって調べてみた。
―よく考えれば当然なのだが、『危急種』なので、釣ったら『illegal』、つまり法律で罰されてしまうそうだ。
その例外をクリアするには、研究者の船に何とかして相乗りするしかないのだという。
うーむ、そこまでするくらいなら、大人しく日本で1mくらいのサメを狙った方が楽しそうではある。
飼育記録ってあるんかしら。
This is why you won't find great white sharks in aquariums - Environment - The Jakarta Post
水族館でホホジロザメが観れたら、そりゃ心が躍る体験なのには間違いない。しかし、現実はシビアだ。
そもそも飼育が非常に難しく、運よく水族館に運ばれても数日~半年で死亡するか放流されるかという記録ばかりであった。
その理由は何なのだろうか?『ホホジロザメを水族館でみれないワケ』という、理由が詳しく書かれたサイトがあったので、その要因をまとめてみた。
泳ぎ回らないと窒息死する上に巨体なので、そもそも水槽で飼うってのがムリゲー
てな感じ。少しでも動きを止めたり、壁に当たったりすると、途端に酸欠になってあっという間に弱るのだという。
モントレー湾水族館が半年くらいの飼育に成功しているが、その理由はシンプルで、その個体が比較的小さかったことに他ならない。(1.5mくらい)
ってことで、ホホジロザメを水槽で観れたとしても、映画みたいな巨体じゃなくてせいぜい1.5mくらいというのがリアルな話なんだってさ。
まぁ、難しいだろうなとは思ってたから、別に驚きはないけれども。
※今までの飼育記録一覧はコチラ↓
終わりに。
ということで、なんか毎度毎度文字数が伸びていくのだが、今回も今までのキュレーション物の中で一番の文字数になってしまった。
特に英語での情報量が多く、調べたいことに付随してあれよあれよと情報が増えて言ったというのが裏話だ。読み易さはちょっと犠牲にしちゃったかも。
にしても久しぶりにこんな大量の英文を読んだので、個人的な勉強にもなったのは棚ぼたであった。
皆様の『ホホジロザメ情報』が少しでもアップデートされていれば嬉しい。
では今日はこの辺で。