世界最大の淡水魚は何かと聞かれると、魚について色々調べた経験がある人は即答で、「ピラルク」か「メコンオオナマズ」と答えられるのではなかろうか。
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実際、硬骨魚類で限定したり、その重さで比べたりすれば、世界最大の淡水魚はピラルクだと断言して、そこまで間違いはなさそうである。
―だがやはり、世界は広い。軟骨魚類まで範囲を広げ、そして単純な長さや大きさ(広さ)も考えると、世界最大の淡水魚を冠しうる、別の候補が浮かんでくる。
それは、名前を人に記憶させる気が1㎜も感じられない、「ヒマンチュヤ・チャオプラヤ」である。
Big Fishes of the World: STINGRAY GIANT FRESHWATER (Himantura chaophraya)
淡水に生息するエイそのものはペットショップでもたまに見かけるが、ここまで武骨に巨大化する種類もいるなんて!!!と、初めて見たときは、そう驚いた記憶がある。
しかしこのヒマンチュヤ・チャオプラヤ、「淡水にすむでっかいエイ」以外の情報を、まるで僕は持ち合わせていない。この魅力あふれる魚について、もっと知りたい。
そう思ったので、天気荒れ気味の外を見ながら、実に半年ぶりに知識系の記事を書こうと思い立った次第でござる。
ということで情報源がほぼ英語のためくっそ疲れたが、この謎多き巨大エイについて、情報をまとめていきまっしょい。
基本ステータスまとめ。
Big Fishes of the World: STINGRAY GIANT FRESHWATER (Himantura chaophraya)
まずどう考えてもその圧巻のサイズが気になる。最大全長は、ソースが完全に不明だが5m程度、最大重量は650㎏にまで成長するとされる。
多分尻尾まで入れた長さだと思うが、あのピラルクでさえ、眉唾なデータを入れても最大全長4mくらいだというから、それを凌いでいる。すさまじいサイズだ。
そんなヒマンチュヤ・チャオプラヤだが、特に和名が設定されているわけじゃないようで、呼ばれ方にブレがある。例えば「プラークラベーン」、等。
調べ物をする際は、少しだけ注意されたし。(そもそも新種として登録された?のが1990年と、比較的最近である(R))
・・・と思っていたが、「実は新種じゃなくて既存の種と同一でした、テヘ」みたいなすったもんだが繰り返されている状態なようで、つまりよくわからない。
だからそこは、過度に気にせずいくとしよう。
さて。彼らの生息地は主に東南アジアであり、そこを流れるメコン川、チャオプラヤ川といった超でかい川に潜んでいるという。
昔研修旅行でメコン川をクルーズしたことがあるのだが、コーヒー牛乳色の水の下にあんなのが潜んでいると想像すると・・海洋恐怖症の人は船に乗れないなと思う。
分類としてはアカエイ科とのことで、言われてみればあいつらと顔が似ているような印象がある。実際に、食性や増え方(胎生であること)も同じなようだ。
しかし近年はペット目的の漁獲や釣りのターゲット、環境破壊の影響をモロに受け、しかも胎生ゆえの繁殖力の弱さもあり、個体数は激減の一途だという。
釣り上げて顔を拝むのもそれはそれでアツい話ではあるが、それはバーチャル世界での疑似体験ができる日を待つことにしよう。
かなり少ないが、日本でも展示している施設があるようなので、機会があればぜひ見てみたいなと、今思った。
さながら重戦車の如く。
ヒマンチュヤ・チャオプラヤの水中の様子を撮影した映像は、飼育下のものだが、調べたらいくつか出てきた。例えば、これ。
海底をずーっと這い回る様子はマジでアカエイそっくりだが、アカエイよりも先端が尖っていたり、口側の面が白黒の模様だったりとで、細かい違いはそこにある。
ただ性格は、下手すればアカエイよりアグレッシブなようで、完全に水面に飛び出してまで餌をガツガツする様子も、動画に残されていた。
最大個体のデカさとイカつさを考えると、さながら水中の重戦車だ。絶滅危惧種扱いになっているとはいえ、数百、数千の個体がメコン川に居ると思うと、心が躍る。
メコン川という特殊な環境故に限界はあるだろうけど、なんとかして水槽による飼育下ではない姿を、もっと見ることはできないものか。
技術の進歩が僕の生きている間に間に合うことを、願って止まない。スケールが異常に大きい話だけれども。
余談:かわいい淡水エイ「ポタモトリゴンモトロ」について。
突然なんだという話だが、僕は子供の頃、「テーマアクアリウム」というゲームに熱狂していた。最終的にはやり込み過ぎて、データが壊れる程プレイした。
思い切り端折るが、このゲームでは漁場として様々な国を回ることができ、その中に「エクアドル」という国がある。
このステージは、超人気な淡水魚が数多く捕獲可能な優れた場所なのだが、そもそも辿り着くことが極めて難しいので、ゲームを進めないと手を出せない場所である。
そこでやたらと印象に残っていたのが、「ポタモトリゴンモトロ」という謎の魚だ。ゲームのグラフィックだと、メトロイドに似て、少しキモかった。
ターロンメトロイド | メトペディア - メトロイド Wiki | Fandom
その画像を必死に探したが、どうやらネット上に残っていないらしい。それくらいレアでニッチでマイナーな生き物なのだと思う。(ゲーム自体が古いのもある)
というかそもそも、ポタモトリゴンモトロとは何なのか。気になったので、大人になってから意味も分からず呪文のように覚えていたこの言葉を調べてみたところ・・・。
ぬいぐるみみたいでかわいらしい淡水エイだと判明💠
攻略本等に載っている際のメトロイド感はまるで無い。ちなみにペットとして人気らしく、エクアドルから日本へもよく空輸されてくるそうだ。
そんな和名は「オレンジスポットタンスイエイ」。「タンスイ・エイ」であり、「タンス・イエイ」ではないことに注意。
本当にふと、ヒマンチュヤ・チャオプラヤのことを調べている最中に閃いたため、脈絡はほぼ無いが書き添えてみた。
もしも興味が湧いたのであれば、飼育を検討されてみてはいかがだろうか。お値段は入荷さえあれば、24,000円くらいらしい。
終わりに。
サメを好きだという人は男女問わず多いけど、エイを愛好する人は、それと比べれば少ないような印象だ。
確かに、ホホジロザメ・アオザメ・メガマウス・ジンベエザメ・ミツクリザメ・ネコザメといった豊富な顔ぶれを有するサメと比べると、知名度は微妙だと思う。
知ってるエイを言わせても、「マンタ!!」が精いっぱいな人は多い。それに関しては、仕方ないと思う。
かくいう僕はどっちも好きという一番面白くないポジションであり、今回も、エイが好きというより、ヒマンチュヤ・チャオプラヤをふと思いついたから書いた感じだ。
この記事がきっかけとなって、サメに負けず劣らず奇天烈なエイという魚に目を向ける人が増えてくれたら、とても嬉しいなと思う。
では今日はこの辺で。
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