俺のぬし釣り

山口と広島をメインに、102種類の魚を釣るべく我流釣りをエンジョイしまくるブログ。(たまにキャンプにもいく)

【50㎝オーバー】昔っから気になってた『アオギス』なる魚の"悲劇"を、約2500字で解説します。【絶滅危惧種?】

全くやる気が出ないとき、何故かショッキングな事件のWikipediaYouTube動画を眺めちゃいます。病んでる?中元です。

 

さて。今日は知名度で言えばかなり低いのだが、僕の中でずっとずっと気になっていたある魚をテーマに、知識系の記事を書いてみようと思う。

 

その魚とは、『アオギス』だ。

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アオギス | 魚類 | 市場魚貝類図鑑


見た目はシロギスに似ているが、改めて見ると、なるほど細かい点がちょこちょこと違う。

 

ではなぜ、僕はずっとこの魚が気になっているのか?まずはその理由を書いてから、情報を詳しくまとめてみようと思う。

 

 

身近だったのに消えた魚。

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というわけで、細かくリサーチしていく前に、僕がこの『アオギス』を気にしている理由を書いてみる。

 

最初にこの魚と出会ったのは、実物ではなく図鑑の中である。小学館?が大昔に出していた、美麗なイラストが特徴の魚図鑑であり、子供の頃は夢中になって読みふけった。

 

その最後の方のページで、シロギスと並んで描かれていたのがこのアオギスなのだ。ではなぜ、このアオギスが僕の心を惹いたのか?

 

それは、「かつては大量に生息していたのに、環境破壊などが相まって東京湾から姿を消した」という記載が異様に引っかかったためだ。

 

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江戸庶民の道楽のひとつ。それは…釣り♪趣味釣りが広まったのは江戸時代 (2017年7月26日) - エキサイトニュース


干潟に「脚立」のようなものを建てて、そこからアオギスを狙って釣りをするのは、ある種の風物詩だった・・みたいな記載があったと思う。ここはうろ覚えだ。

 

「風物詩になるレベルのことが姿を消す?」

 

やはりこれにはかなり驚いた。だから僕の記憶にずっと不思議と残っているというワケである。

 

ってことでこれ以上前置きを長くしても仕方が無いので、早速アオギスそのもののデータをまとめていきましょう。

 

アオギスってなに?

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アオギス - 大分県ホームページ

 

カッタイ話からすると、スズキ目キス科の1種で、シロギスとは完全に別物となる。(写真を見ても、細長くて青みがかっているのが特徴だとわかる)

 

サイズはシロギスよりも大型で50㎝を超すこともあり、東京湾では脚立を干潟に建てて、その上から狙う光景が風物詩だと書いてあった。(これのことか!)

 

ただし、アオギスは昭和30年代ごろから徐々に姿を消し始め、40年ごろには脚立釣りの景色と一緒に完全に消滅したとされている。

 

実際に個体数はかなり少なめらしく、比較的生息数が多めの大分県であっても、一部地域の目撃情報がゼロなんてことにもなっているそうだ。*1

 

そしてその生息や個体数は、干潟(どろべちゃのとこ)にかなり依存するらしく、それら生息地の環境が悪化すれば、途端に姿を消してしまうのだという。

 

ちなみに、アオギスそのものはまだ日本と台湾にいるそうだが、東京湾のそれ】は何年も報告が無いのだという。(その再生を目指すプロジェクトもある*2)


尚、山口湾(厚東川河口など)での生息も、2005年前後の研究で確認されていることから、超絶運が良ければ僕も出会える・・・・かもしれない。*3

 

アオギスが消えた理由と歴史。

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種の解説|福岡県レッドデータブック

 

研究が進んでおらず謎が多いらしいのだが、何故かアオギスはその生息地を干潟に限定しているのだという。

 

(干潟の一例↓)
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https://saga-kashima-kankou.com/experience/8268


つまり、干潟の環境が悪化すれば、よそに移動する・・なんてことは無く、そのまま死んでしまうということらしいのだ。

 

となれば、東京湾からアオギスが姿を消した理由は簡単だ。埋め立てによる急激な面積の減少と、環境の汚染である。

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東京湾環境情報センター

 

ちなみにその埋め立て地の利用法は、京浜工業地帯の拡充や、住宅用土地、廃棄場処分や高速道路といった開発のためであり、泣きっ面にハチのレベルではない。

www.nies.go.jp

 

とはいえこの時期は戦後の復興を成し遂げつつあるさなかであり、アオギスのことを顧みる人とか良くも悪くも皆無だったと言える。

 

余談だが、僕はこういった昔の開発を非難するより、結果生まれた資産やテクノロジーを使って生物を復活・回復させる方が健全だと思うんですがどないでしょう。

 

例えば、アオギス再生プロジェクトのクラウドファンディングがもしあれば、僕は1万円くらい平気で寄贈する。(リターンによるけどさ)

 

ーとはいえ、アオギスが姿を消した理由には、日本の急速な成長と開発があった。まぁ、知ってた、という感じだけど・・・。

 

どうしてもこの辺に帰着するというか、これ以外の理由で消えた生き物、おるんかなと、そちらの方が気になってくる。

 

願わくば、いつか釣りで出会いたいものである。どれだけデカかろうが速攻リリースすることは、今決めた。

 

終わりに。

 

ということで、いつもより何か薄めの記事になったが、それはそもそも研究が少ないこと、そしてそれが進んでいないことが原因に他ならない。

 

しかし、何故か不思議と幼き日の僕の心に刺さったアオギスの生態と物語、皆様にもシェアできていれば嬉しい。

 

では今日はこの辺で。

 

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*1:https://www.pref.oita.jp/10550/reddata2011/pdf/rdb/08/gy018.pdf

*2:https://www.kaiseiken.or.jp/study/lib/news88.pdf

*3:Report on Distribution and Spawning of Small-scale Sillago, Sillago parvisquamis (family Sillaginidae), Based on Specimens from Yamaguchi Bay in Western Seto Inland Sea, Japan. <Article> - CORE Reader