俺のぬし釣り

山口と広島をメインに、102種類の魚を釣るべく我流釣りをエンジョイしまくるブログ。(たまにキャンプにもいく)

【生態】3000字で分かる『エイ』と『サメ』の違い。【レア】

『エイ』と『サメ』は、割と似ていると思われないだろうか。

 

例えばイタチザメとオニイトマキエイ(マンタ)くらいその姿が違えば、そのことにはなかなか気付けないかもしれないが・・。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%81%E3%82%B6%E3%83%A1

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/df/Manta_birostris-Thailand4.jpg/300px-Manta_birostris-Thailand4.jpg

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%82%A8%E3%82%A4



こういう造形をしていると、お前はどっちだ?と首をかしげること請け合いだ。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8E%E3%83%8E%E3%83%A1%E3%82%B5%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%B6%E3%83%A1

(ちなみにコイツの名前は『シノノメサカタザメだが、分類は『エイ』の一種であり、極めてめんどくさい)

 

他にも、厄介な例は枚挙に暇がない。だからこそ興味が湧いて、最近眠れない夜にリサーチしまくった。

 

すると、是非とも紹介したい面白い話がいっぱい出てきたので、今日はそれをまとめてみようという次第である。

 

では、以下続き。

 

 

 

結局、エイとサメはどこで区別すればいい?

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今からちょっとした難問を出してみる。以下の魚、どちらがエイで、どちらがサメか、皆様はお分かりだろうか?

 

まず、コイツ。

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http://asamushi-aqua.com/

 

んで、コイツ。

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https://www.isenp.co.jp/2018/09/13/22732/

決して、同じ魚の別の個体なんてイジワルはしていないと付記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、答え。

 

サメは、コッチである。↓(ノコギリザメ。ちなみにもう片方は、ノコギリエイ。)

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では、これら二種は、一体何をもって『サメ』と『エイ』に分けられているのか?その答えは実は僕も知らなかったのだが・・・

 

最近、割と簡単でハッキリしたそれを、ついに知った。

 

それは、『裂鰓の位置』だ。『裂鰓(さいれつ)』とは、サメのそれがすごく分かりやすい。(赤四角内に見られる、特徴的な鰓の形)

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https://japaneseclass.jp/img/%E9%B0%93%E8%A3%82

 

これが『体の側面』にあれば、ソイツは『サメ』だ。一方『エイ』は、裂鰓が腹側にある。

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ここに注目すれば、さっきのノコギリシリーズも、見分けがあっさりつく。感動。

 

今度水族館に行かれる際は、是非ともエイとサメの『裂鰓』に注目してみてほしい

 

エイとサメの共通の先祖は居るのか?

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『エイ』と『サメ』は同じ軟骨魚類で、共に『板鰓亜綱』というのに属している。

 

となれば疑問に思うのが、『コイツらの進化を辿っていくと、共通の先祖に行き当たらないのかな?』というものだ。

 

これについて色々リサーチしたが、なんかしっくりくる説明に出会えず。というか、まだ研究途上なのだとか。

 

その中でも面白かったのは、『板鰓類(サメ・エイ類)の化石について』という論文で、そこにはこういう図が載っている。

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素人の読み方なのでミスがあるかもしれないが、とりあえず『ヒボダス』という種が、枝分かれ前の先祖と言えるらしい。

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http://paleontology.sakura.ne.jp/hibodosu.html

また少なくとも、『最古のサメ』として2017年に発表された『Doliodus ploblematicus』という種は先祖とみて間違いなさげ。

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http://www.sci-news.com/paleontology/sharks-acanthodians-04706.html

 

英語の記事くらいしかソースがなくて大変だったが、裏付けっぽいものが分かったので、僕は満足である。


―余談だが、サメやエイは軟骨魚類である。これが何を意味するかというと、骨が分解され易いため、化石がほぼ残らないということだ。

 

つまり、化石からアレコレ研究するのが極めて難しく、他の硬骨魚(例えばシーラカンス種)に比べ、研究が遅々としているのだ。

 

例えば古代生物に興味が無い人にも有名な、メガロドンという絶滅種が居る。

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http://animalkun.org/archives/56

実はこの生物も、見つかっているのは『歯の化石』だけだ。

 

それが現生種(ホホジロザメとか)に似ているので、それと比較し、今のサイズを決定しているだけ。

 

(ホホジロザメの歯よりざっくり数倍デカいから、体長も数倍デカいんじゃね?という具合)

 

つまり、想像図なのだ。

 

例えばメガロドンの頭が極端にデカかっただけとすれば、その全長はもう少し短かったかもしれない。

 

可能性としては限りなく低いが、いつか完全な化石が出てこないか、割と待ち望んでいる事柄ではある。

 

超レアなサメとエイについて。

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http://shinkaiyablog.com/post-1946/

希少種というセリフには心が躍る。もちろんサメとエイにも超レアなのが居て、それらを調べてみるとワクワクする。

 

代表格は、メガマウスというサメではなかろうか。

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https://swmcoms.com/megamausu-1623

1976年11月15日に、米国海軍の調査船がハワイ沖で沈めたシーアンカーに絡みつき、偶然発見されたのが最初の個体である。

 

ただ、発見例は非常に散発的で、かつ世界中でちょこちょこ見つかるため、正確な数はよくわからない。(日本近海の例が多め)

 

英語版Wikipediaによれば、2018年時点で99例の報告があるという(生死問わず)。逆にいえば、それだけしかないのだ。

 

当然生態も不明点だらけであり、ロマンがある話だと強く思う。

 

ちなみに、超レアだが、泳いでいる姿も動画に収められている。

www.youtube.com

 

心を奪われたのなら、是非とも魚の世界に入れ込んでみてはいかがだろうか。

 

また、『エイ』だと、僕は『ヒマンチュラ・チャオプラヤ』がアツいと思う。

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http://www.monstersproshop.com/howto-challenge-himanturachaophraya-fishing/

タイの『河川』に生息する、超巨大な『淡水エイ』である。デカさならマンタのが上だが、情報量の少なさが僕の心を熱くする。

 

ちなみに、コチラは日本でも飼育されているため、個体数が超少ないかどうかは微妙。

www.youtube.com

 

だが、謎だらけの存在には変わりないので、やっぱりどうしてもこういうのには心が躍ってしまう、というワケで。

 

他にも奇天烈な造形のシュモクザメとか、寿命のスケールが桁違いの『オンデンザメ』も好きだ。

 

また、『ポタモトリゴンモトロ』といった観賞魚用淡水エイの、ポップなデザインも癒される。

 

調べれば調べるほど、『サメ』や『エイ』も魅力的だと分かってきた。いやぁ、これだから魚は面白い。

 

終わりに。

 

今回は、個人的に『そこまで興味ないかなあ』といった情報は、全て省いてある。

 

例えば、浮袋が無いとか、ロレンチニ器官といったそういう身体構造の話がそう。

 

あくまでも、僕が面白いと思い、シェアしたいと感じたことだけをまとめた記事である。自己満足と言われればおしまいだが、とりあえず楽しかった!

 

こうしてまとめることで、僕の中の知識が体系化されるので、ニーズがあろうがあるまいが、これは定期的に作ってみようっと。

 

勿論、既に始めてる『釣魚調査レポート』との差別化は、きちんと考えつつ、だが。

 

それでは、足掛け3000字、お読みいただきありがとうございました。

 

※新作はこちらからどうぞー。↓

pochihiko-inunosuke.hatenablog.com

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