前回のあらすじ
前回の記事を読んでクレメンス
pochihiko-inunosuke.hatenablog.com
いよいよ野島に上陸し、最初の目的である地磯を目指す。その旅路の始まりである山道は、険しい道が続いていることを厳かに醸し出している。
まぁ、僕は20代前半まで、こういう山というか森をガシガシ進むことがあるような部活動に属していたし、今もたまーに参加することがある。つまり大丈夫っしょ。
―という予想を裏切り、結構ガチ目の野外訓練になった中編、いざ報告いたしもうす。
第四章:探検開始
事前にMさんが調べてくださった情報によると、ここ↓から山道に突っ込むのが正解らしい。本当に合っているのか不安しかないが、だからこそ探検は面白いとも思う。
鉄則なのだが、こういう未開の山道を歩く際はなるべく肌を露出させないこと。夥しい量の蚊は勿論、マダニにやられたら、そこそこヤバい感染症になることもある。
ついでに言うと、落ち葉をヒョイとめくると、小さくて茶色い線が入ったゴキブリが超大量に出てくる。黒光りするタイプじゃないので僕は平気だったのが・・。
嫌いな人は、不用意に落ち葉をひっくり返さない方が吉。まぁ、嫌いな人はそもそも山道に登ろうとも思わないだろうけれど。
さて。まず目指すのは、山頂にあるという灯台だ。機能しているかいないかはさておき、地図上に表示されているということは、目印になり得る。
ここまでたどり着いたら、その側にあるという道っぽい何かを辿ることで、地磯に下りれるのだそうだ。なんというか、小学生のような計画だ!!
そのルートをGPSで表示すると、こんな感じ。幸い、ギリギリ電波は届いたので、現在地を把握することはできそうだ。文明の進歩に大感謝。
さて。行きしなに小さい祠があり、地蔵様?が3体祀られていた。せっかくなので、手を合わし、探検の無事を祈願する。
しかしその祠の外壁には尺取虫が何匹も張り付いて休憩しており、自然豊かを通り越して、自然そのものの世界に来たことを実感した。
そこからは、草がなぎ倒され、踏み固められ、気持ち道っぽくなっているところを辿るように、山道を進む。
日頃筋トレはしているが、体力とは関係ないことがよくわかる。すぐに息が切れて、自分が着実に年を重ねていることを、嫌でも実感させられた。
10分も歩けば滝のような汗が噴き出してきて、ダイワのレインコートの内側から染みてくる有様であった。気温云々もそうだが、湿度がとにかく高い!!
それでも道っぽいところを辿ると、進んでいる感は確かにあった。黄色いテープが巻かれたペグが散見され、先達が目印を残してくれていることが本当に有り難い。
そうやってザクザク進み、時折出現するクソデカムカデなんかにびっくりしながらも、必死で山を二人で登った。登山あるあるだが、口数は標高に比例して減ると思う。
さて。大体20分以上歩いた頃だろうか。遂に人工物が見えてきた!割と最近誰かが物を置いたとも思える、コンクリートの建物であった。
人の手が入っている様子が皆無であれば探検しても良かったのだが、芝刈り機なんかが普通に置かれていたので、それは止めておいた。
・・・そこで少し休憩したのち、更に道っぽいところが見えたので、建物に対し平行に進む。
すると、黄色いテープが巻かれたペグや、ドラム缶が出てきて、テンションは爆上がり!!
・・・しかしながら、そこから先に道があるようには、どうにも見えない。藪に入ればすぐに竹が生い茂っており、そこから進むには無理がある。
そもそもその先に巨大な灯台が聳え立っているのなら、その雰囲気というか、影というか、そういうのが見えてもいいはずだ。しかしそれも皆無である。
ということでスマホを起動し、ぎりぎりの電波だったが何とか入ったので、現在地をGPSで調べてみた。
既に大量の汗をかいており、その蒸気に誘われてか数十匹の藪蚊に襲撃されながらの調査なので、猛烈にストレスが溜まる。
・・・結果わかった自分たちの現在地に、失望を通り越してなんというか、笑いが込み上げてしまった。
おぉ、びっくりするほど全然違う!!!!
・・・しょうがない。Mさんと相談し、↓のルートを意識しながら引き返すことで、灯台を目指すことに決めた。
「携帯が無かったら遭難寸前ですね」と二人で笑ったものだが、その通り過ぎて、山登りの怖さを時間差で思い知っている。
第五章:脳筋解法最強説
来た道を引き返す。言葉で書けばクソ簡単な話に聞こえるが、実際は全然そうとは限らない。
試しに今度道を歩いているときに、時折後ろを振り返ってみてほしい。今まで自分が見ていた景色と、全く異なるそれが、広がっていることがわかるだろう。
要するに、生きと帰りは全く同じ道ではなく、別々の道を通るようなものなのだ。だから僕らも、道を見つけるのに大変難儀した。
Mさんが割と危険な道に突っ込んだり、逐一スマホでGPSを起動したり、色々試した。試した結果、約20分後、なんとか道っぽいところに、遂に出ることができた!!
振り返ってみれば、僕らが通ってきたのは、こんなにも脳筋なルートであった。
あまりにも脳筋ルートゆえ、ぶら下げていたポリ袋が破れ、バニラ味のカロリーメイトを4本も落としてしまっていた。もし見つけたら食べられてください。
さて。道が見えればこっちのもんだ。竹が両脇に積まれ、しっかりと踏み固められ、明らかにその先には何かが待っていることが察せられ、気分はガンガン高揚する。
僕もMさんも疲労困憊だったのだが、「もう少しだ」という希望によってアドレナリンが噴出されたのか、それまでで最速の歩調で山頂を目指し続けた。
そして―
遂に眼前に、待ち焦がれた塔が姿を現すのであった。
第六章:ハウス・オブ・ライト
「おぉ・・・ついに着きましたね・・・」息を切らしながらも、なんとか山頂に着いたことを実感しようと努めた。
人の気配は全く感じられない。使われているのか、打ち捨てられているのか、判断がつかない灯台。さすがにドアを開けるとかはしなかったが、不思議な感覚だった。
にしてもここは藪蚊がヒドい。ふと脛を見ると、3~40匹の蚊が、ズボンの上から僕の血を吸おうと群がっていた。半ズボンだったら終わってたな。
どうでもいいが、こんな山奥に超大量の蚊がいることは不思議である。血を吸おうにも、吸う相手がいない気がするのだが。
調べてみたが、藪蚊は花の蜜なんかが主食であり、いわゆる生き血は卵巣を発達させ、産卵を行うために必要な最後のピースなのだという。
だから死に物狂いで吸血しに来るのはメスの蚊だけなのだそうだが、それは答えになっていないよな、と。
人も哺乳類もいないはずの山奥に、超大量の藪蚊がいる理由。誰か詳しい人、教えてくださいませ。
・・・ところで、この灯台周りには、不思議な生き物がちょこちょこいた。例えば、アシダカグモもそうだ。日中堂々とへばりつく姿って、割とレアな気がする。
あと画像には収められなかったが、サワガニも目撃した。いや本当に、何を食ってんだろう?
さて。目的地は灯台ではなく、あくまで地磯だ。だからここから降りる道を探さねばならない。Mさんがガサゴソと、果敢に藪へ突入していく。
・・・・。
・・・・・・・・・・。
「ちょっと・・無理ですね」
「断念、しましょう」
(´・ω・`)
・・・止む無しってヤツだ。探検というのは、欲をかくとその分、事故や遭難の可能性が高まる。無理と判断したなら、根性論は封印し、素直に撤退するだけである。
一応僕も様子を見たが、10年以上人間が立ち入っていないと言われても信じるくらい、綺麗に手付かずの自然であった。
一体在りし日の釣り人たちは、軽くない釣り道具を抱えて、どこをどう降りていったのだろうか。その面影は、全く残されていなかった。
・・・ここからが面白いのだが、下山に際しては完全に道が分かっていたので、それを素直に逆走することで、難なく達成することができた。
なんと10分で。行きの所要時間の六分の一。不思議である。奇跡である。行きはよいよい、帰りは怖い。その逆じゃないか。
そして忠実に道を辿って下山すると、僕らが最初に間違えていたあることに気が付いた。
それは入り口だ。なんとすぐ横に、「こっからだよっ」というのを全力で教えてくれる通路が存在していたのだ!!!
灯台下暗し。また一つ、諺の教えを、身をもって学んだ瞬間であった。
ということで中編はここまで。
次回、後編:人生初の野島フィッシング編(仮称)へ続く!!
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