ソロキャンプを趣味にするようになってから、大体4年くらいの月日が流れた。我流で勉強したり、テレビ番組の真似をしたりと、少しずつレベルを上げてはいる。
もちろん、キャンプ技術に誇りを持っている方々からすれば鼻で笑われるレベルなのだが、段々僕にとっても、理想のキャンプ像というものが見えてきている。
それは、ザック一つで全ての荷物が完結するキャンプだ。身軽さと快適さという矛盾しそうな二つを統合し、それを引っ提げて本当に静かなところに身を置いてみたい。
そんな想いを口にするようになって1年以上が経過しているわけだが、そこに向かって前進をしている感じは、実はあまりしていないのも理解している。
―やはり、夢が叶った姿を妄想するばかりでは、永遠に届かない。距離が遠いまま、絶対に近づいてこない。ならばどうするか。
簡単だ。小規模で良いから、見切り発車で構わないから、一回叶えてみればいい。手持ちの道具で無理矢理やりくりして、コンパクトなキャンプをすればいいのだ。
10年かけて1発イベントをするより、巧遅拙速上等、1年1発を10年重ねる方が、絶対にクオリティも認知度も高まるのと同じだ。
―なんて大袈裟なことを書いてみたが、要するに今日はそれをテーマに俗世からまた逃げてきましたよという、そんな報告である。
暇な時間にぜひどうぞ。
身軽さをどう生むか?
まず頭を使ったのは、コンパクトなキャンプをどう達成するか、だ。堅苦しく言えば、その定義ということになる。
もちろんステイシーST-Ⅱだけ持っていけば、コンパクトなキャンプとして宿泊ができるものの、楽しさはゼロになってしまうだろう。
利便性と快適さをどう両立させるか。まずは何より、自分が手持ちで持っていける限界を確認せねば、シミュレーションもクソも無いことに気が付いた。
そして後部座席に積んである荷物を確認してみると、当然っちゃ当然なのだが、焚火グッズを持ち運ぶのは現実的ではないことに気が付いてしまった。
だから前提として、今回は焚火をしないということをまず決めた。となれば調理に要るのはガスバーナーとなる。それなら、手持ちがある。
だが一口しかないので、メスティンを使うとそれが20分以上封印されてしまう。それは流石に効率が悪い。・・こんな風に、せわしなく自問自答を繰り返した。
結果、ヒマラヤとかで見たことのあるメスティン用といってもいいくらい小っちゃい焚火台?とスキレットを買い足せば、なんとかなると結論が出た。
シュラフもチェアも食器類も、ショルダーバッグに余裕で収まったので、それはラッキーだった。うむ、意外とイケそうだ!
ガチでどうにもならなかったらキャリーワゴンを買おうと思っていたが、そこまでの出費は無用とわかり、家計的にもエコになったという点は、物凄く感謝している。
てことで前提の話は終わり。いよいよ本題へ入っていこう。
人生初の「フリーサイト・ソロキャンプ」
今回予約を取ったのは、多分4~5回目の宿泊になる秋吉台家族旅行村だ。今年の春に来たときは暴風のせいでヒヤヒヤしたが、宿泊当日の天候は比較的穏やかだった。
前日夜に短時間だが突風と豪雨が起こったため、少しでも地面が乾いてから行こうと、14:00頃まで家でゴロゴロし、そこから出発して現地に到達した。
途中、いつものサィサィみとうに立ち寄って、最低限の食材を買い足した。驚いたのだが、青果コーナーが消えていた。何か事情があったのだろうか。
秋吉台家族旅行村に着いてみたら、まだ風は残っていたものの、むしろ涼しさを運んでくれるありがたい存在という印象だった。
手短に受付を済ませ、フリーサイト(一般区画サイト)に向かう。オートサイトの方には立派なテントがいくつか見えたのだが、こちらは僕の貸し切りなのだという。
システムとして、受付で札を貰い、自分が指定されたエリアにぶら下げる必要がある。チェックアウトは10時なので、その際はオートサイトと異なり、これの返却が要る。
ステイシーの設営も、段々と手馴れてきた。本当にいい意味で何もないサイトに10分くらいで設営し、中で寝袋とサーマレストを広げ、まずはとりあえず横になる。
そして中でおやつ(今日は惣菜とポテチ)を食べる。これが僕のキャンプルーティンだ。余談だが、僕はアラポテトこそ、全ポテチで一番美味いそれだと思っている。
・・・腹が満たされれば、行動しようという気力が萎える。だからまた横になる。ステイシーの天井をボーっと眺めながら、外から聞こえる音に耳を澄ませる。
秋風が吹いている。葉っぱがかさかさと鳴っている。なんと風情のあるオプションだろうか。
風雅とかそういうのには全然似合わない面をしている僕だが、脳内にこのとき浮かんだのは、百人一首にも収録されている、とある歌だ。
「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる」
【秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど | 短歌の教科書|短歌の作り方・有名短歌の解説サイト
確かに、秋を感じるのはその景観に先んじて、空気が澄んで冷たくなっていくことや、夕刻に葉っぱを鳴らす風の音など、目に見えないものによることが多い。
今この記事のこの部分はテントの中で書いているのだが、耳をすませば虫の声も風の音もする。夏が過ぎて秋が来つつあることを、はっきりと感じる。
―ちなみに、テントの入り口から外を見た景色はこんな感じだ。敢えて森に向けている。一番人工物が目に入らない画角だからだ。
さて。時刻は今、17:31である。焚火グッズを置いてきたため、することはもう、適当なツマミをこさえて、酒をあおるだけである。
事前にお気に入りのフラスコに注いできたウィスキーが、AOクーラーの中で冷えている。このクーラーを買ったおかげで、相当荷物が減ったのはありがたく思う。
―ふと気付けば、外から聞こえる子供の歓声も消えている。静かだ。家の中に独りでいるときの比較にならないくらい、自分が“独り”だと感じる。
なんて静かで、緩やかで、そして心地いい時間なんだろう。気付けば風の音に混ざって、ツクツクボウシの鳴き声が聞こえてくる時間帯になっていた。
このまましっぽりと感傷に浸っても良いのだが、これ以上暗くなると色んなことがめんどくさくなってしまうので、そろそろ調理に入ることにしよう。
ただし今気付いたが、この時点で文字数が2600を超えている。調理の風景も混ぜようものなら、簡単に4000を超えそうだ!
そして翌日の朝は数千字も粘れるほど出来事があったわけではない。仕方ない。序盤にもほどがあるが、前編はここで終わりとする。
尚、もしかしたら前編・中編・後編の三段構成になっちゃうかも。それは書いてみないと判らないので、ヨロシクオネガイシマス。
では今日はこの辺で。
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