最近、黄身に穴さえ空けておけば、爆発リスクと無縁で、電子レンジで目玉焼きを作れることがわかって嬉しい中元です。
本題に入る前に、告知でございます。
現在、【記事ごとの投げ銭システム設置】と、それが軌道に乗ってからの【広告の廃止】を計画中です。
pochihiko-inunosuke.hatenablog.com
お金の問題はやはり放置できないので、なるべく手間とコストを必要としないやり方で、このための場を作っていこうと思うとります。
今のところは、サービスの目星を軽くつけたという段階です。お盆くらいに試し打ちしますね。その際はまた、改めてお伝えしますね。
ってことで、ここからが本題。
突然だが、アカナマダという魚をご存じだろうか。
アカナマダ:墨吐く深海魚、31年ぶり富山湾に 魚津で展示 /富山 | 毎日新聞
見た目的には【リュウグウノツカイのクセがすごいヤツ】なのだが、実際は、それとは別の科であるアカマンボウ目アカナマダ科に属する別種である。
※細かい話だが、リュウグウノツカイは【アカマンボウ目リュウグウノツカイ科】である
ーただし、ほぼ親戚レベルの近さなのに、その知名度は天と地の差だ。実際にGoogleでの検索ヒット数も、2021年7月25日13:07現在、まるで違う。
リュウグウノツカイは何と109万もヒットするのだが、アカナマダは2万5000しか引っ掛からない。40倍以上もの開きがあるのだ。
だがこのアカナマダ、見た目がキモいから不人気とかそういうワケじゃない。単に発見数が非常に少ないため、情報が少なすぎることが大きいのだ。
リュウグウノツカイの発見数は、正確な数値がわからないほど、実は日本だけでも数が多い。しかしアカナマダはせいぜい数十例とのことである。*1
また、深海魚のクセに、危機が迫るとケツから真っ黒な液体を噴き出すという珍妙すぎる生態も併せ持っているとのことだった。
これは気になる。気になり過ぎる。
需要は限りなくゼロに近いのは承知しているが、記事のネタも今は乏しいので、ポチポチとアカナマダの不思議な生態をまとめていこうと思う。
アカナマダ基本プロフィール。
基本プロフィールも調べてはみたが、やはり希少種ゆえ、ほとんどわかって無さげだった。
まず体長は、70㎝~1mくらいの例が多いというが、巨大なやつは2m近くにもなるのだという。(ただしその個体のデータは発見しきらず)
生息域は北太平洋西部~南部、つまり暖海域だと推測されており、日本近海だと富山・山口県萩といった日本海でも混獲例が存在している。*2
水深は表~中層を漂っているとみられるが、本当にそうかは誰も確認したことがないため不明。
なお、マリアナ海域において、仔魚及び卵は確認されている。(さりげなくものすごい話だと思う)*3
孵化したそれはリュウグウノツカイの稚魚に似ており、僕みたいな素人には判別が無理である。
そしてアカナマダの一番トリッキーな特徴は、ケツから墨めいた液体を噴出する能力である。
なぜかその瞬間を水中で収めた写真は存在しないのだが、一応ケツから墨が滴っている画像は発見したのでご紹介。(生臭く、ねっとりしているらしい)
http://miyakowanmoba.seesaa.net/article/445713188.html
これだけみるとその量はわかりづらいが、実は想像の何倍も、墨をブシュ―と出せるようだ。
例えば、101㎝の個体の体内に、65㎝程の墨を作る腺があったという報告もある。*4
また、水族館に生きたまま搬入された個体が、16tの水を真っ黒にしたという話もある。
富山県 気分は「令和」発表 魚津水族館 記念撮影コーナー設置|北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ
このエピソードを踏まえても、色々とぶっ飛んだ魚と見て間違いない・・・。というか既に真っ暗な深海で墨を噴出してどうするのかという素朴な疑問もある。
そういうのもあり、墨を噴出する目的は、マジで不明というのが現状らしい。
ちなみに食性もよくわかっていないが、胃の内容物からホタルイカの一部やイワシなどが出てきていることから、そういうのを食べているのは間違いないようだ。
(ちなみにリュウグウノツカイの胃袋からは、オキアミがぎっしり出てきたそうで、食性も異なるのはちょっと面白い)
アカナマダについて、じゃあ何がわかってるのだろう?
まぁ、お察しの通りだ。ほぼ何にもわかっていない。
だから語るネタが、実はこれ以上ないのである。ということで、一応アカナマダと同じ科に属する奴らも、簡単に紹介しておこう。
アカナマダ科には現存する2種と、絶滅したものが4種が登録されている。もう1つの現存種も、やっぱりどうにもへんちきりんだ。
それは、【テングノタチ】である。モンハンの武器名みたいだが、れっきとした魚の名前である。
珍魚採集報告第211号 テングノタチ - 東京都島しょ農林水産総合センター
アカナマダはリュウグウノツカイよりはるかにレアな魚らしいが、このテングノタチは、アカナマダよりはるかにレアな魚だという。
ちなみにこのテングノタチも、ケツからイカ墨もどきを噴出できるらしい。
―ただしあまりにも珍魚なので、アカナマダ以上に情報がみつからなかった。こいつで記事を書くのは、無理だなッ!
終わりに。
てなわけで、本当にふと閃いた【アカナマダ】という謎の魚。こういうのも魚図鑑にはなんだかんだで載っているので、マジで子供向けの本も侮れない。
釣ることは絶対無理であるが、はえ縄で混獲されたって例もあるので、超絶運が良ければ海域次第だとチャンスがあるのかなぁ。(エンカウント率0.00001%とかだろうが)
ということで、ここまでちゃんと読んでくれた人は非常にレアだろうが、今日はこの辺でおしまいとする。
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*1:とても珍しいです。最近よく話題になるリュウグウノツカイよりも珍しいです。日本周辺でのアカナマダの記録(正式な報告)は数十例程度と思われます。当館が富山湾で確認しているアカナマダは過去に11例あり、今回の個体で12例目となります。「リュウグウノツカイより珍しい」 謎の深海魚“アカナマダ”を富山県沖で捕獲…生態を専門家に聞いた
*2:http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/pref/yamaguchi/kenpo/4/pdf/19-56.pdf
*3:https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/5548/files/kawakami_ah23_1.pdfhttps://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/5548/files/kawakami_ah23_2.pdf