『エイ』と『サメ』は、割と似ていると思われないだろうか。
例えばイタチザメとオニイトマキエイ(マンタ)くらいその姿が違えば、そのことにはなかなか気付けないかもしれないが・・。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%81%E3%82%B6%E3%83%A1
こういう造形をしていると、お前はどっちだ?と首をかしげること請け合いだ。
(ちなみにコイツの名前は『シノノメサカタザメ』だが、分類は『エイ』の一種であり、極めてめんどくさい)
他にも、厄介な例は枚挙に暇がない。だからこそ興味が湧いて、最近眠れない夜にリサーチしまくった。
すると、是非とも紹介したい面白い話がいっぱい出てきたので、今日はそれをまとめてみようという次第である。
では、以下続き。
結局、エイとサメはどこで区別すればいい?
今からちょっとした難問を出してみる。以下の魚、どちらがエイで、どちらがサメか、皆様はお分かりだろうか?
まず、コイツ。
んで、コイツ。
https://www.isenp.co.jp/2018/09/13/22732/
決して、同じ魚の別の個体なんてイジワルはしていないと付記しておく。
では、答え。
サメは、コッチである。↓(ノコギリザメ。ちなみにもう片方は、ノコギリエイ。)
では、これら二種は、一体何をもって『サメ』と『エイ』に分けられているのか?その答えは実は僕も知らなかったのだが・・・
最近、割と簡単でハッキリしたそれを、ついに知った。
それは、『裂鰓の位置』だ。『裂鰓(さいれつ)』とは、サメのそれがすごく分かりやすい。(赤四角内に見られる、特徴的な鰓の形)
https://japaneseclass.jp/img/%E9%B0%93%E8%A3%82
これが『体の側面』にあれば、ソイツは『サメ』だ。一方『エイ』は、裂鰓が腹側にある。
ここに注目すれば、さっきのノコギリシリーズも、見分けがあっさりつく。感動。
今度水族館に行かれる際は、是非ともエイとサメの『裂鰓』に注目してみてほしい。
エイとサメの共通の先祖は居るのか?
『エイ』と『サメ』は同じ軟骨魚類で、共に『板鰓亜綱』というのに属している。
となれば疑問に思うのが、『コイツらの進化を辿っていくと、共通の先祖に行き当たらないのかな?』というものだ。
これについて色々リサーチしたが、なんかしっくりくる説明に出会えず。というか、まだ研究途上なのだとか。
その中でも面白かったのは、『板鰓類(サメ・エイ類)の化石について』という論文で、そこにはこういう図が載っている。
素人の読み方なのでミスがあるかもしれないが、とりあえず『ヒボダス』という種が、枝分かれ前の先祖と言えるらしい。
http://paleontology.sakura.ne.jp/hibodosu.html
また少なくとも、『最古のサメ』として2017年に発表された『Doliodus ploblematicus』という種は先祖とみて間違いなさげ。
http://www.sci-news.com/paleontology/sharks-acanthodians-04706.html
英語の記事くらいしかソースがなくて大変だったが、裏付けっぽいものが分かったので、僕は満足である。
―余談だが、サメやエイは軟骨魚類である。これが何を意味するかというと、骨が分解され易いため、化石がほぼ残らないということだ。
つまり、化石からアレコレ研究するのが極めて難しく、他の硬骨魚(例えばシーラカンス種)に比べ、研究が遅々としているのだ。
例えば古代生物に興味が無い人にも有名な、『メガロドン』という絶滅種が居る。
http://animalkun.org/archives/56
実はこの生物も、見つかっているのは『歯の化石』だけだ。
それが現生種(ホホジロザメとか)に似ているので、それと比較し、今のサイズを決定しているだけ。
(ホホジロザメの歯よりざっくり数倍デカいから、体長も数倍デカいんじゃね?という具合)
つまり、想像図なのだ。
例えばメガロドンの頭が極端にデカかっただけとすれば、その全長はもう少し短かったかもしれない。
可能性としては限りなく低いが、いつか完全な化石が出てこないか、割と待ち望んでいる事柄ではある。
超レアなサメとエイについて。
http://shinkaiyablog.com/post-1946/
希少種というセリフには心が躍る。もちろんサメとエイにも超レアなのが居て、それらを調べてみるとワクワクする。
代表格は、『メガマウス』というサメではなかろうか。
https://swmcoms.com/megamausu-1623
1976年11月15日に、米国海軍の調査船がハワイ沖で沈めたシーアンカーに絡みつき、偶然発見されたのが最初の個体である。
ただ、発見例は非常に散発的で、かつ世界中でちょこちょこ見つかるため、正確な数はよくわからない。(日本近海の例が多め)
英語版Wikipediaによれば、2018年時点で99例の報告があるという(生死問わず)。逆にいえば、それだけしかないのだ。
当然生態も不明点だらけであり、ロマンがある話だと強く思う。
ちなみに、超レアだが、泳いでいる姿も動画に収められている。
心を奪われたのなら、是非とも魚の世界に入れ込んでみてはいかがだろうか。
また、『エイ』だと、僕は『ヒマンチュラ・チャオプラヤ』がアツいと思う。
http://www.monstersproshop.com/howto-challenge-himanturachaophraya-fishing/
タイの『河川』に生息する、超巨大な『淡水エイ』である。デカさならマンタのが上だが、情報量の少なさが僕の心を熱くする。
ちなみに、コチラは日本でも飼育されているため、個体数が超少ないかどうかは微妙。
だが、謎だらけの存在には変わりないので、やっぱりどうしてもこういうのには心が躍ってしまう、というワケで。
他にも奇天烈な造形の『シュモクザメ』とか、寿命のスケールが桁違いの『オンデンザメ』も好きだ。
また、『ポタモトリゴンモトロ』といった観賞魚用淡水エイの、ポップなデザインも癒される。
調べれば調べるほど、『サメ』や『エイ』も魅力的だと分かってきた。いやぁ、これだから魚は面白い。
終わりに。
今回は、個人的に『そこまで興味ないかなあ』といった情報は、全て省いてある。
例えば、浮袋が無いとか、ロレンチニ器官といったそういう身体構造の話がそう。
あくまでも、僕が面白いと思い、シェアしたいと感じたことだけをまとめた記事である。自己満足と言われればおしまいだが、とりあえず楽しかった!
こうしてまとめることで、僕の中の知識が体系化されるので、ニーズがあろうがあるまいが、これは定期的に作ってみようっと。
勿論、既に始めてる『釣魚調査レポート』との差別化は、きちんと考えつつ、だが。
それでは、足掛け3000字、お読みいただきありがとうございました。
※新作はこちらからどうぞー。↓
pochihiko-inunosuke.hatenablog.com
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