夢の中で誰かに謝ることが増えている中元です。うーむ、誰に何を?
はい。かんなり弾丸なのだが、つい先日再びソロキャンプを決行してきた。まぁソロというか、最近ソロキャンプをはじめられた方とご一緒の、二人ソロキャンプである。
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場所は新平ヶ原公園キャンプ場というところだ。完全無料で、フリーサイトらしい。なんと最高な!!
今日はここで、オススメの過ごし方・グッズを互いに披露しあうという趣旨でキャンプを行うことに決めた。
ぶっちゃけここ数日は本気で心が疲れていたので、気乗りするかが最後まで不安だったのだが・・・。
はっきり言う。
行って大正解だった。
僕は忘れていた大事なものを、そこで取り戻せたのだから。
今日はそういう、ドキュメンタリー色強めの記事でごぜぇやす。
18:00 一路、鹿野へ。
実はこの日も夕方まで仕事だったので、それを全力で片付けてから周南へ向かうこととなった。
高速道路を走るうちに周囲の景色は山ばかりに変わる。そしてすぐに日はとっぷりと暮れて、完全なる夜へと移っていく。随分と昼が短くなった。
しかし、そうやって闇に沈んでいく情景とは反対に、僕の心はどんどん高ぶり、胸の内が何かに照らされていくような感覚さえあった。
「キャンプだ!キャンプができるんだ!!」
そう考えるだけで、心が躍って仕方がない。キャンプ飯は何にするか?どういうグッズを見せてもらえるか?期待が溢れて止まらない。
もはやただの妄想なのだが、それに浸りきるだけでもう、この時点で本当にテンションが爆上がりであった。
そんなエキサイティングなドライブの果て、その方(大学の先輩)とはサンマートで合流した。ちなみに僕が向かっている間、下見は済ませてくれたのだという。
「おでんを作ろうと思ってさ、動物性たんぱく質しか入ってないヤツ!」
先輩も僕と同じか、いやそれ以上に心が躍っているのが、表情と声のトーンからびしびしと伝わってきた。実はマスクの下で、僕もにやけていたけど。
ところでこの「動物性たんぱく質しか入っていない」というキラーフレーズ、今でも思い出すたびに軽く吹いてしまう。
さて。僕はキャンプ飯を、土壇場でカレーに決めた。なんだかんだでまだキャンプでは作ったことが無かったし、鹿野は豚が有名だから、丁度いいと思ったのもある。
後は酒と、米と、足りない物資。それを買い物かごに放り込んでレジを通し、駐車場でキャンプサイトまでの道順を確認する。
サンマートからは大体10分とあった。意外とすぐだ。早速お互い車に乗り込み、法定速度制限内の限界速度でそこへ向かう。
ナビに従い、山奥へ入り、いくつも小道を曲がり、谷間を抜けて・・・そして、ヘッドライトの照らす先に、なんと通行止めの看板が見えた。
一瞬ヒヤっとしたが、その横に、草木と落ち葉で鬱蒼とした狭い道が続いていた。ナビが「そこやで」と催促してくる。―ホンマかいな?でも、そうならば行くしかない。
進んでみると、コンクリで整備されただけの獣道とでも言いたくなる悪路であり、ガードレールの向こうは谷であった。落ちたら死。
慎重に進むも、離合箇所は散発的で、夜道と相まえばただの恐怖。キャンプ前に命に関わる肝試しができるとは。ハイビーム全開で進むと、数分でそのエリアを抜けられた。
着いてみると、真っ暗な広場に暖色の光がいくつも浮いていた。この日は日曜だったのだが、キャンパーは多い。つまり、仲間がいるということだ。
その後は車を開けた場所に着けて、いよいよ設営に入ることに。芝生の上を、夜露で塗れた黄色い落ち葉が飾っている。暗いけど、わかる。雰囲気、超良いじゃん!!
日没はとっくに訪れたが、関係ない。僕らのキャンプは、これからなんだ!!
19:30 設営、そして焚火。
僕が好きなキャンプは、どうやら【ローキャンプ】というらしい。全体的に低い高さでまとめるスタイルがそう呼ばれるのだという。意識したことは無かったけどね。
ということで先輩から誕生日プレゼントに頂いた(!)、Helinoxのチェアを使う。
これが座ってみるとわかるのだが、絶妙の低さと快適さであり、二度と立ち上がりたくなくなるくらいしっくりくるのだ。
素晴らしいものを頂きましたなァ・・・。
そして焚火台は、8年近く愛用しているUNIFLAMEのファイアグリル。もうサビサビであり、味が出まくっているが、壊れる気配はない。いい買い物や。
そして中元キャンプ場の全景はこんな感じ。こないだ分かったが、僕は最小限のグッズで秘密基地を作ることが楽しいと感じるようだ。
焚火もワイルドに点火。着火剤が完全に死んでいたので、キッチンペーパーを燃やしたら無事に燃え上がりますた。
(※火吹き棒を初めて試したけど、あれ最高のグッズじゃった!!!!!!!)
―ここからはお互い、楽しさのあまり、どんどん語彙力が良い意味で減っていった。
「最高ですね!」「もうすべてが最高よ」「楽しくて仕方ないよ!」「誰かに怒られるんじゃないかってくらい、今日が完璧に楽しすぎるよね」
・・・・・。
焚火がぱちぱちと鳴り、闇の中で川がざあざあと流れる音がする。自然の中に、自分がいる。俗的なことは、ここにはない。考えなくていいことは、持ち込まなくていい。
「最高だなぁ・・・」
心の底からそう思い、そっとそう、呟いた。
20:00 ぼくらのキャンプ飯。
焚火に没頭しすぎると、飯を作るのがめんどくさくなる。そして気づけば、料理の準備ではなく、火を眺めることが意識の全てを占めるようになる。
実際先輩は、おでんを大量に鍋に入れて沸騰させ、地面に置いては冷ますというのを、3時間繰り返していたほどだ。だが気持ちは、よくわかる。
火を見るだけで心が満たされ、その恩恵で、不思議とお腹も満たされるような気がするから。きっとそうなのだろう。でも飯は作らないと、食材を買った意味がない。
少し気合を入れてから食材とトングを手に取り、料理を開始することに決めた。とはいえ、さすがに手軽なものにするけどね。
僕は無難にソーセージを炒めたり、カレーをことこと煮込んだりという晩飯にした。これはこれで大変野性味あふれる美味であり、酒が非常に進む。
―が、ここで先輩が振舞ってくれた料理が、衝撃的な美味しさであったのだ。
調理器具は【ユニ鉄】と呼ばれるプレート。ここに鹿野高原豚のでかい塊をワイルドに置き、火を通す。
そしてこの豚肉に、実は有名らしい【マキシマム】というスパイスを大量に振りかけるのだ。火が通ったら、ハサミでカットし、シェラカップに入れて渡してくれた。
―刹那、鼻孔が小爆発を起こすほどの美味が突き抜けた。下手すれば、今まで作ったキャンプ飯の最高を圧倒的大差で更新したかもしれない。
例えがへたくそだが、高級中華店のチャーハンのような味がした。ハーブ、塩、ニンニク、その他諸々。全てが最もおいしくなる分量に、緻密に設計されている。
感謝を述べた後、勢いそのまま、ビールをぐいとあおった。酔いが深まるはずなのに、意識ははっきりとして、全てが楽しくて、永遠に終わってほしくないとさえ思えて。
二人で語らいながら、笑いあい、熱燗をも頂いた。アルコールが軽く喉を焼き、そしてすぐに臓腑の底がじんわりと温まる感覚が込み上げてきた。
美味い飯と、美味しい酒。酔った感覚も相まって、僕らは極楽とはかくやと思えるほど、心地よい高揚感に包まれていた。
・・・ふと周りを見ると、他のキャンパーの灯りが減っていた。人の気配も少なくなっており、賑やかなはずの夜の森が、いつの間にか閑散としているのに気が付いた。
おもむろに時計を見ると、時刻は23:00を示している。なぜだ。なんでもうこんな時間なの!?こんなに楽しいのに!おかしいだろ!!
―そんな意味不明な憤りを覚えてしまった。それくらい、久しぶりに、心の底から楽しい時間を過ごせていたということだろう。
FFⅤのバッツじゃないが、「楽しい時間って、なんであっという間なんだろうな」と、一瞬で少し寂しい気持ちになってしまった。
だが、名残惜しく思えるタイミングで寝ることもまた、キャンプを楽しくするために必要な要素。自制心を発揮し、僕らはテントに潜り込んだ。
・・・この日の夜は、新しく買った【サーマレスト・Zライト】がいい仕事をしてくれて、背中ぽかぽか、超絶快適睡眠を満喫できたことは付記しておく。
翌日、AM7:30 朝のキャンプ飯。
しっかり寝て、ばっちり目覚めてみれば、なんと8時間も経過していた。シャワーさえ浴びられれば、そのまま仕事に向かっても大丈夫なくらい、体調は良い。
改めてキャンプサイトを見回してみると、かなり開けた平地であり、川も環境がよく、魚釣りもできそうな雰囲気であった。紅葉もまばらながら残っており、風情がある。
晩秋の山奥らしい、冷たくも澄んだ空気が流れていた。極寒というほどじゃないが、さすがにジッとしてたら寒い。身を縮こまらせつつ、ヘリノックスの椅子に腰かける。
先輩はまだ夢の中であったが、僕はもう1つのやりたいことを始めることにした。それは、朝のキャンプ飯である。日頃朝飯は適当な僕だが、今日はちゃんとしよう。
火をおこし、湯煎して米を準備。それに山口では有名な【井上商店のしそわかめ】を惜しみなく振りかける。最高だ!
コッヘルでベーコンを炒めて、目玉焼きを載せる。そして僕なりの、山で食う正しい朝ご飯が完成となった。やはり、最高だ!!!!
「焚火しおるねー」
そのタイミングで、先輩が起きてこられた。そしてすぐに椅子に腰かけると、小さい袋から新しいアイテムを取り出した。
「コーヒー飲もうか」
―それは、アウトドア用のコーヒーミル。そしてコーヒー豆。うそでしょ?こんな山奥で、引き立てのコーヒーが、飲めるというのか!!??
喜びと驚きで僕は少し混乱した。だがすぐにお湯が沸き、コーヒーのいい香りが立ち込める。カップに注がれたそれを受け取り、両手で持ちながら、それを啜った。
「・・・・・涙が出そうなくらい美味いです」
嘘偽りない、本心。感動とは、こういうことか。僕が求めていたのはこれなのだろうか。それくらい心に染み入った。
心も体も温めつつ、しばし椅子に座って、二人でぼーっとした。ふと気づけば太陽が昇り、木々の隙間から日の光が差し込んでいる。
夏のカンカン照りも嫌いじゃないが、冬の透き通るような日差しも嫌いではない。むしろ好きだ。テントについた夜露が、そんな朝日を浴びて、きらきらと輝いていた。
そんな情景をただただ見ながら、ひとくち、ふたくちとコーヒーを飲む。僕は今、きっと、最高に贅沢な空き時間を過ごしているに違いない。
―そんな至福の時を何分過ごしたころだったか。
「・・・ぼちぼち帰り支度しようか!」先輩はそういうと、勢い良く立ち上がった。
名残惜しいし、まだ帰りたくないという思いもある。しかし、この思いがあるからこそ、またキャンプしようという意欲に繋がるのだ。
二人で片づけて、炭を拾い、ゴミ袋に詰めて、各自の道具を仕舞いこむ。撤収が終わると、再び何もない広場に戻っていた。
そして帰り際。目玉が飛び出んばかりのセリフが先輩から言い渡された。
「このコーヒーセット一式、あげるよ!!」
・・意味がわからなかった。でも、すぐに喜びが意識を通り越し、もはや謝罪の角度で腰を折りながら、「ありがとうございます!!」と返していた。
この時点で、もうテーマが決まった。次回のキャンプ、僕は今度こそ、美味しいコーヒーを自分で淹れる。豆から挽く。想像するだけで心が躍る。
最初から最後まで童心に還り続けた時間。体感は一瞬であったが、僕は久しぶりに、純粋に、心の底から、こう思った。
「楽しい!!!!!」
―数多のしがらみによって忘れていた、愛しいあの感情を取り戻せた、本当に楽しい時間であった。また周南、来たいなぁ。すぐにでも、明日にでも。
・・・その日の仕事の際、キャンプ熱を語り過ぎて、生徒に若干引かれたことはこっそり書いておこうっと。
完。
【おまけ】次回キャンプでしたいこと。
ところがどっこい、もうちっとだけ続くんじゃ。キャンプは毎度毎度、やればやるほど、やりたいことが増えていくのも醍醐味だ。
だから次回やりたいアイデアも、忘れないうちに書き殴る。まず当然、いいコーヒーを淹れたい。だから豆も、ちょっとレアなのを探しに行こうと考えている。
それともう一つ。マキシマムスパイスのときに話題になったのだが、バイきんぐ西村氏監修のスパイスが存在するのだという。
スパイスが美味ければ、キャンプ飯は格段に美味くなる。そのことを学んだ手前、これを買わずにはいられんばい!!
そしてそして。井上商店と言えばしそわかめが有名なのだが、ホームページをガサゴソしてみると、結構多様な商品をウリにしていることが判明。
まだこれからも迷うのだが、朝飯にお茶漬けを、そして晩飯に干物を、それぞれ次回は持参しようかなと考えている。
―嗚呼、夢がひたすらに膨らんでいく・・。その日を脳内に描きながら、アウトドア用品のカタログを読み耽ることにしよう・・・。
ということで何と久しぶりの6000文字到達の大作、今日はこの辺でッ!!
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